平成15年10月16日(木)
この日は相方も息子に会いに行きました。
出がけにK院長先生に会い、
「今晩是非うちのディナーを召し上がってください」
そう強く薦められました。
この産院はオールインワン、心のケアまでしてくれる、至れり尽くせりの産院です。
もともと出産前後に夫婦や親族と美味しい食事を食べ、
交流を図るというのもその一つ。
もちろん今の私たちにそんな「食を楽しむ」事などできるはずもなく、
何度もお断りしてきました。
しかしどうしても、ということで・・・
レストランではなく、個別に部屋でということなら、
「仕方なく」うなずきました。
さて息子のいる病院に向かい・・・
相方、産後の体が痛みます。
しかし息子に会いたい、気力だけで一歩一歩前に進みます。
車が揺れるたび、苦痛で顔が歪みます。
そしてやっとのおもいでNICUに到着し・・・。
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変わり果てた息子の姿。 |
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口からは人工呼吸器、鼻からは胃までチューブが入っています。そのチューブの中に、血が。唇にもこびりついています。 この小さな体で、よく大手術に耐えました。 |
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息子の手を握り、無理にでも笑顔を作ります。 |
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私も声が出ません。 全身チューブとセンサー、触れるのは手とおでこだけです。撫でてあげました。それしか私にできることがありませんでした。 |
今の相方の体力では、あまり長居はできません。
「とりあえず、状態は落ち着いている。しかし術後の感染症が心配である」
とは先生方のご意見。
そりゃあ、そうでしょう。
祈るしかありません。
産院に戻り、一休み、フルコースディナーです。
とてもじゃないですが、気分じゃないです。
しかし、
「ここじゃあちょっと狭いから・・・」
と、わざわざ別室が用意されておりました。

うお〜!すげぇ〜!!
たまたまでしょうが、一番よい個室が空いていたようです。
「できる限りの事をする」
この産院の姿勢でもあります。
久しぶりの、乾杯。
そしてわざわざ私たちのために、
1品、また1品が調理場より運ばれてきます。
「なにこれ、美味しい!!」
失礼ながら名古屋はおいしい料理屋さんが乏しく、
あまり食に恵まれているとは感じません。
しかし、こりゃあ今まで食べたどのコース(といってもあまり経験ありませんが)より、美味しい!
ワインも最高!!
料理が進むにつれ次第に私たちに笑顔が戻り、体に力がみなぎるのを感じました。
もちろん息子は一生このようなご馳走を口にすることはできないかもしれません。
そのような子をどうやって育てていけばいいか、皆目見当もつきません。
もちろん「今」を無事に乗り越えられるのか、すら誰にもわかりません。
しかし、どんな困難にも負けるものか、
俺たち2人で育ててみせる。
自信が、笑顔があふれてきました。
私たちも意外でした。
院長先生の強い勧めがなければ、このような機会を逃しておりました。
本当に感謝しております。
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食べることが大好きな相方。 しかしこれほど力がわいてきたのは、 初めての経験です。 |