平成17年12月31日(土)

今日は息子が家にやって来ます。
産まれてから2年2ヶ月かかりました。
先生、看護師さんと相談し、外泊ではなく数時間の外出になりましたが、
まず「家に来ること」それができるようになったということは、
治療過程も後期になったということでしょう。
いつの日か、必ず帰ってくる。
だから、今は外泊・外出の別はどうでもいいのです。

病院横の坂の上から富士山が見える。
そうIOさんが言っていたのを思い出しました。
あまりにも天気が良かったので、ちょっとだけ寄り道。

息子に会いに名古屋まで行った、その都度見ていた富士山です。その時は、今日の事など想像することはできませんでした。


病棟に入ると、息子がタタタと駆け寄ってきます。
あれ?もうルートがない!?
ついさっき、ヘパリンロックされたそう。

ルートがないと、息子の動きが違います。
おそらく、本人もルートの有無を自覚していると思います。
自由気ままにあっちこっち、
点滴台がないので、小さな息子は何処にいるか見失います。
しばらくそのまま駆けずり回らせます。

あーモチモチ?
タクシー1台お願いします!


おいおい、まだ早いって。


ご飯はベッドの上で。
本当によく食べるようになってきた。
1年前は汁のような粥にも悪戦苦闘していた。
まだ低脂肪・低食物繊維食なれど、IVHは10mL/rになっている。
食事と夜間の胃ロウで、必要なカロリーの7割程度吸収できるようになった。
ヒトの1/4程しかない息子の小腸は、懸命に働いてくれている。

息子の食事を終える、今度は私たちが食事に出る。
その間に清拭を済ませてもらう。


13時に戻ってくると、息子の準備は万端だった。
外出許可証を記入しつつ、戻りの時間等を最終確認する。

1Fの正面玄関に向かい、タクシーを呼ぶ。
電車だとそれだけ人が多く、風邪やインフルエンザ、その他感染の危険が増すからだ。
YGさんと師長さんがお見送りに出てくださった。

タクシーに乗り込み、行ってきます!
ブーブ(車)と喜んでいた息子、車が動き出すと、途端に固まる。
日光が当たったり陰になったり、チカチカするのを嫌います。
暑そうなので、運転手さんがエアコンの風を送ってくれると、

「クワイ〜(怖い)!」

とビビリまくり。
そうだった、コイツは風も嫌いなのだった。

246は事故渋滞で、進みが悪い。
息子は次第にぐったりしてきた。
1年前の転院を思い出す。

体・脳が受ける情報量が処理量を大幅に上回り、
自然とシャットアウトしたのだった。
今回も完全ダウンではないものの、一杯一杯の様子である。

出発したて。
怪訝そうな表情ですが、まだ元気でした。
次第にぐったりとしてきましたが、まあ経験済みなので心配はしませんでした。

30分ほどでマンションの前に到着。
支払を済ませ、3人で立つ・・・。
信じられない、でも夢ではない。

エレベーターに乗り、ついに玄関に。
どうだろう。初めての環境にビビリまくりかな・・・?

しかし靴を脱ぐと、トットット!っと自ら中に入っていく。
おお、素晴らしい!
全く臆することのない様子に、一つの山を乗り越えたような、
達成感に近い感覚を覚える。

ついに息子が我が家に!
長い、長い2年半でした。
まだ闘いは終わったわけではありませんが、それでも「ここまで来たか!」
全てが報われたような瞬間でした。

おサカナ、いっぱい〜!
コレがアレで・・・
息子に説明するママ。
どれが好き?

・・・。

あまり反応はありませんでした。(爆
ママどこ〜!?
きゃはは!
いたぁ〜!!
両家ジジババにも報告を。
息子はテレビ電話が大好きです。
病院は三輪車禁止と知らず、
購入以来ずっとオクラ入りだった、三輪車。

漕ぐことはできませんでしたが、大変気に入ってくれたよう。
待て待て〜!

このようにずっと遊んでいました。
私も息子も、人生初の「お馬さん」

病院だと床は硬いし、ルートもあるし、
とてもできません。

不覚にも翌日膝が腫れました。(爆
自分のHPを初めて見る、の図。
これもあまり反応は無かったが、
いずれ字が読めるようになったら、
何か感じてくれるかな?
途中、ちょびウンチを2回。
着替えが無いので、早めにオムツを替え。
OBしたら、大変です。
でも形状はもの凄く良い、過去最高クラス。

オムツは病院に持っていくことにしました。
重さも量らなくてはならないし。


息子は初めての「床」の感触を確かめるかのように、トントンと足踏み。
バスマットは何故か足を避ける。

楽しい時間はあっという間に過ぎ・・・
と思っていたら、意外にも3時間はゆっくりと過ごすことができた。

しかし、課題もまた浮き彫りに。
息子と病院で過ごした2年2ヶ月。
その環境は家とは当然大きく異なるものである。
その息子が家でどういう行動に出るか、全くわからず目が離せない。
何に興味を持ち、どこまで手が届くのか、サッパリ見当が付かない。
一応片づけ等は行ったが、モノの破損ならまだしも、危険な箇所だってあるかもしれない。

知識無く、初めて子を預かったような感覚。
常に息子の行動を見張らなくてはならない。
私たちは子と生活する知識・経験が皆無なのだ。

今日は外泊ではなく外出で良かった。
これに加えて、晩ご飯やら夜寝る時の温度など、
気をつけなくてはいけないことが多かったら、こっちもパンクしてしまうところだった。

3時間は程良く過ぎ、私たちは大満足で病院に戻った。

また車・・・

そんな顔をしながら、息子はタクシーの中で眠りについてしまいました。

昼寝もしていないし、初めて経験することばかりだったので、余程疲れたのでしょう。

面会中は絶対に寝ない息子も、瞬殺でした。


病院に戻っても、すぐにIVHを繋ぐことはない、寝てからやっとくよ、とKN先生。
しばし自由の身が延長された。

「晩ご飯は興奮して食べないかもしれない」

TB先生の予想に反し、パク付く息子。
強くなったよなぁ〜・・・。


食後はTAと手を繋いで行進。
TA君、明日退院だって、よかったね。
元旦退院とは、来年はきっといいことあるな。

どうしても、ママのスリッパを履くときかない。
パタパタと足踏みし楽しそうだが、
どう見ても歩きにくそう。


帰りはママママ〜!と泣いて離れない。
思えばママは2日空いてしまった。
その影響もあるのかもしれない。

しかし絶対引き留められないと悟った息子、
急にSZさんにしがみつき。
霊が乗り移る瞬間のようであった。

それでは、良い年を。
明日は元気に「明けまして おめでとう」と言えるかな?

年越しそばを頂いた後、近くの神社に初詣。

息子を育てて頂いたお礼と、今後とも宜しくお願いしますと、手を合わせて来ました。
今年は目指せ、退院です。