平成26年8月13日(水)
朝5時に家を出る。
いよいよ、夏休みの旅行である。
Sの食事制限が殆どなくなり、自由度が飛躍的に向上した。
持参する薬も、ずいぶんと少なくなった。
いや、液剤がなくなり、顆粒剤も錠剤になった。
これでずいぶんと身軽になる。
Hも初めてベビーカーを持たずに出かける。
軽自動車でも、ベビーカーのあるなしで、ずいぶんと詰め込み量が変わってくる。
さあ、初の自力旅行の始まりである。
社中、不思議と快適だと思ったら、暑い陽が昇っていない。
あー、曇り・・・。
高速も混んできたため、一般道に。
第一の目的地は本栖湖、水遊びであったが、曇りだと厳しいな・・・。
そんな時、目に付いたのが「富士サファリパーク」の看板。
おおっ、車で動物の群れの中を走るやつか。←イメージ
どれどれ、おっ、開園チョイ前に到着するな。
え、バスに乗り換えて餌やりをしたい?
子ライオンとの撮影会もあるの?
よし!ここに行こう!
と、安易に行き先をサファリパークに変更。
しかし、確かに向かう道は空いていたのだが、第一駐車場は既に満車であった。
まぁ、それでもこの時間なら・・・。
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到着したら、晴天になった・・・。 |
えええええ?!
そうかぁ、皆ネット予約なワケねぇ・・・。
行き当たりバッタリで来ることなんて、ないワケね・・・。
仕方なく、自車で巡ることに。
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前後のゲートが閉まる。 ジュラシックパークみたいだな。 |
次は何だ、ライオンか。
しかし・・・。
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S撮影、怠惰な動物シリーズ、その1。 ま、木に登ってるライオンを生で見たのは初めてだけど。 |
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その2。 |
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その3。 |
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その・・・。 |
と、その時、後ろから何かが近づいてきた。
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シマウマだ! |
これにはSも大喜びだった。
Sとおママは、子ライオンが居る施設に。
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S撮影、怠惰な・・・。 |
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な・・・。 |
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お、いたいた、子ライオン。 |
しっかり晴れたので、遅れながらも本栖湖に。
おおおおお、青い、確かに青い。
他の湖とは確かに趣が異なる。
湖畔に向かうため、キャンプ場の駐車場の先に止める。
すると、おママが何か飛んでいるのに気がつく。
お!ミヤマクワガタじゃん。
残念ながら高所に留ってしまったが、居るなぁ、ここ。
そしてふと湖畔の木を見ると・・・。
おいS!網だ!網をよこせ!!
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別の固体をゲット。 |
憧れのミヤマだからな。
ただ、肝心の水温は低く、Hがバシャバシャ入っていくのは危険である。
また明日来ようよ。
渋るSとHを半ば強引に湖畔から引っぺがす。
でもSはクワが採れたので上機嫌。

そこから更に1時間。
山奥の民宿に到着する。
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くつろぐH。 |
![]() | 何はともあれ、早速山に入る。 |
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H、そっちじゃないって。 |
しかし何より・・・針葉樹林だな、ここ。
これではムシは望めぬ、早々に退却する。
S「怖い〜!」
下りの斜面を怖がるS。
怖いと思うから怖いんだ。
無視して先に下りて待っている。
しばらくするとSが自力で下りてきた。
ほらな。
何が難しいって、初めてのところはポイントがわからないってこと。
これだけの山、どこかに居るんだけど・・・。
現実逃避気を取り直して、ご主人自慢の手作り露天風呂に。
おおおおお〜、見聞きするより遥かにオープンワイド!

というか、フルオープン状態だって。
凄いな、ここ。
そして、ふとH見ると・・・。
何と自分で体を洗っているではないか。
見よう見まねも、ここまでやれば立派である。
むしろアニキよりスムーズな動きである。
これがHの伸びしろというのであれば、もっと引き伸ばしたいたなぁ。
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乾杯。 |
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Sには辛い食事。 |
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夜は花火。 |
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明日の分も取っておこう。 |
一旦就寝、夜0時にSを起こす。
再びライトのところを見に行くもボウズ。
続いて4時、さすがにオレだけ。
しかし収穫はゼロ。
つつつ、辛い〜、精神的にも肉体的にも〜・・・。
平成26年8月14日(木)
・・・雨だ。
これでは、どこに行ったって・・・。
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とりあえず、朝風呂。 |
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山が一つ増えたように見える。 |
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それにしても柔らかい。 |
おかしいな、朝見たときは居なかったのだが・・・。
とにかくSは大喜び。
よかった、よかった。
Sのお腹の調子がイマイチで出発時間も遅れたが、小雨になったので、近くの沢を散策。

すると、道路にクワが、1匹2匹。
おおお〜、助かった!じゃなかった、よかったなぁS!
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形のいいノコであった。 |
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市の観光地にいくも、乗り気ゼロのムシ星人。 |
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もったいない・・・。 |
が、・・・。
どんどん山の上に登っていく。
次第にガードレールもない1車線の崖道に。
霧が出て、視界も悪くなる。
何か、映画にでも出てきそうな・・・。
そして、目前には薄暗いトンネルが。
1車線の山道トンネルって、本当に不気味。
意を決して通過する。
こんな山奥に、何十人も参加できる施設があるのか?
何十人も、こんな細く険しい道を連なって登ってくるのか?
観光案内にあったので、夢ではなかろうが、自分を疑うほどの行程であった。
急に、視界が開けた。
確かに大きな建物と、畑が広がる。
が、誰の姿もない。
和紙工房と陶芸工房がある。
和紙工房には誰も居ない。
陶芸工房は・・・電気がついているように見えたが、天窓だった。

人の気配はするが、まるで神隠しにあったよう。
クワバラ、クワバラ。
ま、とにかく下山しよう。
と、そこに、1台の車が登ってきた。
自分達と同じように、きっと罠にハマッタに違いない。
南無阿弥陀仏。
車のエンジンをかけたところで、雨の丘の上から数人の少年達と先生が姿を表した。
なーんだ、人は少ないけど、何か教室はやっていたのね。
さっきの車は建物前の墓地にお墓参りに来た人たちだった。
何ができたわけではない。
変わった状況は楽しめた。
複雑・・・。
下山の道は、皆無口に。
静か〜な状態で、しかし無事下界に戻ってきた。
無為に時間だけを費やした・・・頭から必死に振り払おうとしていた。
急カーブ、目前に何かが横切った。
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サルだ、サルの群れだ! |
現地では意味嫌われる害獣だろうが、ワイルドのサルだぜ。
距離があるにもかかわらず、こちらを警戒して山に逃げ込んでいく。
いいねぇ。
早めに宿に戻って、古典的カードゲームで遊ぶ。
Hが奇声を上げて騒ぐので、食後まずHを落とす。
が、結局みんな早く寝てしまう。
昨晩遅くにSを起こしたからだろう、朝の調子が悪かった。
0時、4時の見回りで、コクワをゲット。
狩りに出かけた証拠にはなろう、確保する。
平成26年8月15日(金)
晴れた・・・最終日に・・・。

![]() | でも、もう帰らねば。 |
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昨日クワ拾いをした場所に。 |
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置いてかれるH。 |
さぁ、帰ろう!
といいつつ、イキナリ寄り道。

ジュースとか供えられていた。
こ、怖い・・・。
この天気なら、寄るだけ寄ってみるか。
再び本栖湖へ。
うん、やはり美しい。

でも・・・。
向こう岸は晴れているが、こちら岸は雨。
変な天気・・・。
風もあって水に漬かるのは無理そうだ。
え〜と、S。
船にしよか。
潜水艦みたいだけど、潜らないから「モグラン」ってやつ。
S「え〜!水遊びがいい!!」
まあまあまあ。
さ、船乗り場行こうって。
湖を半周、ちょうどモグランが戻ってきた。
急げ、出向時間だ。
ところが、悪天候により次の便は欠航が決まる。
S「え〜!乗りたい〜!!」
まあまあまあまあ。

仕方ない、もう帰ろう。
ところが途中で精進湖なるものを見つけ、立ち寄ってみる。
どうやらここは釣りのメッカのようだ。
S「釣りやりたい〜!!」
まあまあまあまあまあ。
ルアーなんかもってきてないし。

もう寸止め状態の連発で、SもHもふてくされ。
悪天候、それがキミたちの敵だ。
呪うなら、天候を呪うがいい。
帰り道、富士の裾野の墓地に寄る。
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墓参り。 |
渋滞にはまりながら、それでも夕方までには到着できそう。
いよいよ高速は終わり、国道に入る。
その先の交差点までは慢性的に渋滞が起こる。
もう疲れた、もう早く帰りたい、スマホナビで裏道を行くことに。
しかし「あっ!」と思った瞬間に左折を逃し、結局更に遠回りすることになってしまった。
トホホホホ。
気を取りなおし、細い道を右に左に。
あれ?見たことある道だなと思ったら、Hが肺炎で入院した病院の近くだった。
あの時はまだ6ヶ月だったか・・・。
輪をかけて「か弱い」H、あの時は奈落の底に落ちたって感じだったな・・・。
ま、今はウルサイくらい元気になって、もうホント、ウルサ過ぎで・・・これからどうしよう・・・。
等と、昔の事、今の事が次々に頭に浮かんできた。
ま、とにかく早く家に帰ろう!
坂道に対抗するため、グイとアクセルを踏み込む。
軽に4人と大荷物、しかしさすがターボ。
オイルも交換したてで、うへへ、気持ちよく加速するぜ。
と1人ほくそ笑んでいたのだが、しかしここから事態が急展開することになる。
マ「ギャーッ!!」
うゎ、驚いた。
何だよ大声出して、全くもう大げさなんだから。
マ「落ちた落ちた落ちた落ちた!」
落ちたって何だよ、落ちて壊れるもんなんかないし。
マ「落ちた、落ちたって!!」
落ちた落ちたって、窓も開けてないのに、何か外に落ちたってのか?
まぁいいじゃん、貴重品でなきゃ。
と思う一方、ちょうどHはグズリが頂点に達しており、チャイルドシートから降ろしていた。
耳に残る尋常ではない叫びから、ワーストケースも脳裏をよぎる。
まさか・・・。
マ「Hがいない!Hが落ちた!止めてーっ!!」
ブレーキを踏み込む間も、「またまた〜」という信じたくない気持ちと、
確かにそれぐらい緊迫した声ではあった、一刻も早く現実に対応しなくてはという焦りが交錯する。
おママが最初に叫んでなお数秒は走っていた。
おそるおそるバックミラーに目を向ける。
(遠くに落ちてる人形みたいなの・・・Hか・・・?)
登りとはいえ50kmは出ていた。
これで無事なの?無事なワケないだろ?どうなんの?これから先、オレら・・・。
おママが後続車に手を振りつつ、Hめがけて駆け寄るのが見える。
倒れていた人形がムクッと起きあがる。
後部座席にHが居ない。
ああ、確かにHだ。
この時ようやくHが落下したことを認識はした。
しかし事態を理解する、いや受け入れるには至らなかった。
どこかに、受け入れたくないという意識が働いていたのだろう。
おママがHを抱きかかえて来る。
Hは大泣き、意識はある。
しかし顔半分と鼻が血だらけ。
マ「歯も折れてるし!」
声が震えている。
とりあえず、病院に駆け込もう。
入院していた病院は目と鼻の先だ。
(幸い歯は無事だったことが後でわかったが、それだけ口腔内も血だらけであった。)
とりあえず、Uターン。
(しかし歯が折れたままってのも・・・折れた歯があれば、すぐならくっつくっていうし・・・。
でも乳歯か、別にいいか。でも永久歯が生えてくるのもずいぶん先だし・・・。
しかしちっこいHの歯が見つかるか?そこに時間かけてもな・・・。)
半分信じ難い、認めたくないという意識があったのだろう、一種の現実逃避か、オレ。
病院に到着、おママとHを降ろす。
S、オマエもついてけ、おママを手伝え。
とりあえず、駐車場に車を止めに行く。
遠いんだよな、ここの駐車場。
急いで病院に駆け戻る。
Hの泣き声で、居場所がわかる。
待合室の片隅で、事務の方と看護師さんがHを見ている。
どうした、何も始まっていないのか。
事「診療時間も終わって、先生も帰ってしまった。脳外の先生がいるが、今連絡をとっている。」
む〜・・・。
チャイルドシートから降ろしてしばらく、オムツの異常事態に気が付いたそう。
オムツはチャイルドシート席の足元、しかし手が届かず一時的にHをドア側に座らせていたそうだ。
狭い軽、1人分の座席におママとHではさすがにキツイ。
ところが目を離した隙に、ふっとHの圧力が感じられなくなり、ドアの隙間から、流れる路面が見えたそうだ。
私もまたドアのロックをしていなかった。
自動ではロックしない古い車というのはさておき、Sが車に乗る頃にはもう物心がついていたし、Hはいつもチャイルドシートだ。
ドアロックという習慣がなかった。
いろいろ重なったところで、Hがドアレバーを引いてしまったようだ。
もしすぐ後続車が来ていたら、全国ニュースになっていただろう。
それから更にどれくらい待ったか、あまりの叫び声に見知らぬ婆ちゃんまでHを見に来る始末。
(ほっといてくれ)
再び、事務の方。
事「脳外の先生には連絡がついた。しかしそれ以外の先生はもう帰ってしまった。ここに眼科はないし、どこか救急の病院を探してもらった方がいい。」
と、救急医療センターの電話番号を渡される。
え、自分で探すの?
病院からは電話することはできないそう。
いいよもう、制度なら仕方ない。
自分でやります。
で、どの科が必要でしょう?
事「顔の傷なので、形成外科、耳鼻科。目も心配なので、眼科。口腔も切れているので、歯科・・・。」
(あり得ないだろ〜、全部を満たす病院なんて・・・。)
とにかく電話。
録音する等々のガイダンス後、やっと先方につながる。
状況を説明し、今居る病院から形成外科、耳鼻科、眼科、歯科があるところを探していることを告げる。
救「今ちょうど医師の勤務時間が交代する時間で、これからどこの病院が何の対応ができるか調べるところで・・・。」
つまり、紹介できないってことでしょうか?
意外なほどアッサリと認められてしまったので、それ以上追う気も起きない。
1つの道が絶たれた。
そこに事務の方が、
事「脳外の先生が、(受診するかどうか)聞いてきているのですが・・・。」
つまり、ここで脳外だけ受けて、その他を後回しにするか、キャンセルしてどこかを探すか選べってことですか?
探す手はずも失われたのに?
困った顔をされてはいたが、またも私の理解に間違はなかった。
(究極の選択だな・・・。緊急は脳、それ以外は後でいい。)
ここで脳だけでも検査を受けることを選択した。
でも普通、選べったって選べるもんじゃない、こんな時に。
いや、余計な事は言うまい。
今言っても仕方がない。
Hの元に戻ると、尋常じゃないHの泣き声に足を止めて下さった看護師さんが。
事務の方に掛け合ってくれている。
更にHの元に先生が。
先「これは・・・。」
医師のアンテナにピンと来たのだろうと思う。
先「え?走行中の車から落ちたって?!」
先生の顔色が変わる。
だから、それを訴え続けていたのに。
先「ちゃんとウチで診てあげないと!病院の紹介はそれからだ!」
しかし、これでやっと事が動き出した。
CT待ちの間に、外科の先生。
外「ああ、擦り傷だよ。薬塗っとこうか。」
(ダメだ、こっちの先生わ。)
先「走行中の車から落ちてるんですよ?」
外「大丈夫、擦り傷だよ。」
(とにかく、脳・・・。)
CTに呼ばれる、Hを託す。
暴れるだろうな、撮れるかな・・・。
しばらくしてHが出てくる。
ちゃんと撮れた、と看護師さん。
しばらく待った後、CT検査の結果説明。
先ほどの先生は脳外の先生であった。
先「脳内に出血等は見られない。頭部に骨折も見られない。眼底の出血も見られない。」
等々、他にも詳細な説明を頂く。
とにかく、一刻を争う重大な事象は見られなかった。
一安心だ。
先「ただ、目だけは重要な器官なので、すぐに見てもらった方がいい。病院を紹介する、救急車を手配する。」
救急車・・・。
ババが倒れたとき、遠くの病院に連れて行かれた。
こんな時間から、どこに行くのだろう・・・。
Sの体力も限界だし、食事も摂らせないと。
Sはどうする?おパパと車で行くか、救急車に乗るか?
S「救急車!」
とテンション上がるも、
事「1名しか同乗できないんです・・・」
と一気に突き落とされる。
・・・制度だから、仕方なし。
Sと先に車で出発。
ナビによると、思ったより近い。
30分ちょっとか。
Sと私は無言のまま見知らぬ病院に向かう。
無言なのはいつものことか。
(Sが)文句言わないだけ気を遣ってるってことか。
行き先は第三次救急医療(救急救命センター)がある病院。
心肺停止等の重篤な患者さんが運び込まれるところ。
後からおママに聞いたところだが、到着すると医師・看護師さん10数名が待ち構えていて、即、Hを連れて入ってくれたそう。
それはまるでドラマかなにかのようだったそうだ。
待合室では転落の様子をネ堀りハ堀り聞かれる。
特に後続車との位置関係を問われる。
それはありません、大丈夫です。
一切後続車両や反対車線の車とは接触しておりません。
ただ、スピードが・・・50kmは出ていたと思います・・・。
しばらくして、再度看護師さんが。
看「Hくん、自分の名前は言えますか?」
いいえ。
看「歳は?」
言えません。
看「数は?」
・・・1才程度ですから・・・。
どうも、意識レベルの確認に苦労しているらしい。
3度目か、4度目かの看護師さん、
「念のため、入院してもらうことになりそうだ。」
とのこと。
に、入院・・・。
これで完全に終わったな、このお盆・・・。
一通り検査が終わり、HはICUに入っているそう。
ICUか・・・大事だな。
再度ICUでも状況聴取と入院の説明等を受ける。
Sは年齢制限のため、ICUに入れず外で待ち。
悪いな、でも仕方ない。
今のHは疲れて寝ているそう。
でも点滴や傷を掻きそうなら、抑制具をつけるかもしれないとのこと。
いやもう必須でしょう。
いくつもの書類に署名等を済ませ、最後にちょっとHの様子を伺う。
あ、既にもうラインがグルグル巻き状態・・・。
私たちを見つけてムックと起きあがり、大泣きするH。
うわその顔・・・右半分がお岩さん状態だ。
長居してもいいことない、帰りたいと泣くだけだ。
そそくさとHの元を立ち去った。
結局病院の駐車場が閉鎖されるぎりぎりの時間になってしまった。
家の近くまで帰ってきていたのに、そこから更に6時間もかかってしまった。
きっと、お盆休み中に事故に遭ったら、正にこんな感じなんだろうな・・・。
おママは「寿命が縮まった」と、あの一瞬が頭から離れないという。
廃人の様相である。
いくつもの不注意が重なってしまった。
重ねてしまったのが悔やまれる。
不幸中の幸いではあるが、最後の最後で悔しい事態に陥った。
疲れた・・・。
平成26年8月16日(土)
朝、家の中はとても静か。
旅行の荷物も洗濯物も、あっという間に片づいてしまう。
夢ではなかった、やはり現実。
しかし何だかもの凄く、楽?
が、何か抜けたような違和感もある。
午後、Hの面会。
Sは病室には入れないので、家で留守番。
Hが入院しているのは、ICU。
緊急の病棟より一段敷居が高い。
インターホンで自らの何たるかを名乗り、確認後に入室が許可される。
ICUに入ると、Hの泣き声らしき、シャガレた声が聞こえてくる。
泣き詰めで声が嗄れたか・・・。
声をかけ、ベッドサイドに。
私たちを見つけたHは、すぐに泣きやんだ。
看「さすがだね・・・。」
こういうところは普通の3歳児って感じ。
おママが抱き起こすと、ベットリくっ付いてくる。
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スゲー顔・・・。 |
消えるときは、スッと躊躇いなく。
今日には(救急の)一般病棟に移るとのことであった。
早期に退院を希望している旨を、看護師さんに託した。
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送り火。 |

ちょっとコツを掴んだような気がする。
平成26年8月17日(日)
今日はSの自由研究の追い込み、私だけHの面会に。
一般病棟に移ったはず、どこにいるかわからず、案内して頂く。
お、いたいた、ベッドでアンパンマンのビデオを見せてもらってる。
とても穏やかそうに見える。
私を見つけてムックと起き上がる。
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お、上唇の腫れが引いたな。 日に日に回復している。 |
昨日同様、抱っこではベットリ付いてくる。
ただ・・・。
どことなくぼうっとした感じ?全く立たないし。
手を出せば、抱きついてくるし、放置すれば、そのままアンパンを見ている。
いやいや、オマエそんなタマじゃねぇだろ。
先生から、点滴を外す許可が出ました!
と看護師さん。
包帯を取り、針を抜く。
お、針って柔らかいチューブなのね。
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ふぎゃーっ!
と大泣き。 |
でもどうだ、すっきりしたろ?
すっきりした、Hく〜ん!
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・・・。 |
食欲も上々。
いいねぇ、いよいよ明日退院でしょうかねぇ?

できれば、明日退院しちゃいたいのですが。
退院とわかればSも来るかもしれませんし、Sが来てHが退院できないと、面会中に外でポツネンと待つのはちょっと・・・。
看「いきなり退院ということはない。退院が決まれば、午前中に電話を入れる。」
あら?お電話頂けるのですか?ありがたいです。
ま、擦過傷だけだから、退院間違いなしでしょうけどね。
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夜まで、自由研究。
パジャマのままってのが、壮絶さを・・・。 |

Sに自信をつけさせるための1枚だ。
平成26年8月18日(月)
退院が決まれば、午前中に電話する。
の、電話が来ない。
おかしいなぁ・・・。
まぁ、こういう緊急外の仕事は後回しにされがちだろうから・・・。
Hは外傷だけだから、今日退院で間違いないと思うんだけど・・・。
14時頃になり、おママの携帯が鳴る。
病院の医師からだった。
退院の判断をする前に、面談をしたい。
その後に退院可否を判断する。
とのことだった。
頭の中に「?」が浮かぶ。
まぁいいや。
約束の15時に面会に。
ベッドの中に椅子と机が入れられている。
机の上にはおやつがある。
好物のヨーグルトとクッキー。
が、手をつけていない。
そこに看護師さんが。
もうイジケモードで、食べないんです・・・。
そうかぁ。
おママはHを抱っこ。
Hもおママから離れない。

しばらくしたら落ち着いたのか、少しずつ食べ始めた。
良く声も出る、よく笑う。
顔の腫れも更に引いて、ずいぶんHらしくなった。

そこに救急病棟の医師が。
特に問題はないだろう。
顔の傷は、もしかしたら少し跡が残るかもしれない。
とのことであった。
先生、では退院は?
・・・状況が、あまり聞かないケースなので・・・。
当院の「子供を守る会」の医師と面談して欲しい。
退院はそれからの判断にしたい。
あらら、虐待疑いですね。
仰るとおりレアケースです。
仕方なし。
家で待つSを気にしながら、待つことしばし。
同じく救急の白衣を着た医師と、ソーシャルワーカーさんが来た。
事象発生の状況説明と、普段の療育状況を確認された。
直近、産院の定期健診があることを告げると、そこの形成外科でフォローしてもらうことを推奨された。
まぁ、ちゃんと外の目に晒されていることを確認したのだろう。
面談が終わりしばらくして、看護師さんが。
本日の退院はない。
明日退院ができることになれば、明日に電話を入れる。
あらら、残念。
そうは言っても仕方がない。
Sの夕食までに帰らねばならぬ。
そうとなればスパッと切るのがせめてもの情け。
Hを託し、そそくさと立ち去った。
夜、再びおママの電話が鳴る。
病院からであった。
明日、退院とする。
やった!と喜ぶおママ。
退院が決定したことにより、心の曇りが吹き飛ばされる。
やっぱり、初めから今日の退院てなかったんじゃん。
退院できる体調で、面談待ちだったんじゃん。
ま、虐待の疑念も晴れて、よかったよかった。
平成26年8月19日(火)
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家庭科の宿題が、終わった。 |
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自由研究も、何とか仕上がる。 |
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異常事態はSの字体・・・。 |
少なくとも重ねないと、その先はない。
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S念願の・・・。 |
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釣り道具を買うたった。 |
退院の手続きって、面倒かな?
マ「いや、手続きは大したことない。」
入退院、百戦錬磨・・・。
車中そんな感じでHの居る病院に向かう。
既に退院の準備が整えられていて、おママの言うとおり、僅かな手続きで全て完了。
普通の退院?て、どこか新鮮だったりする・・・。
皆さま、お世話になりました!
さあ、早く帰ろう!Sが待っている!
ところが、駐車中に他の車にぶつけられるアクシデントが。
あーあ、やっぱり早くは帰れないのか・・・。
病院では半ボケ状態だったが、やはり退化しているのか?
しかしその心配は無用であった。
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イキナリ遊び始めるH。 |
Sも英語から帰ってきた。
やれやれ、うるささ相乗効果が始まった。
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Sの腹筋に・・・が、無理だろう、それ。。 |
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Hに取り憑かれるS。 |
事故前と全く同じ光景だ。
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ストレッチ。 |
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少しずつ開いてきたか? |
平成26年8月20日(水)
更にカサブタ面積が減少。
傷の治りの早さは、さすがである。

今日は丸々1日仕事を休み、Hの家庭内安全対策のための工作を行った。
終わらなかった