平成16年1月2日(金)

今日で2人とも東京に戻ります。
しばらくお別れです。
担当の小児科K先生と外科のN先生のご説明をお願いしてあります。

しかしK先生、奥のお子さんにかかりっきり、
とても手を離すことができない事態です。
先にN先生のお話です。

胃に入れる成分栄養を12ccにまで増量した。
胃に食物が入ると、唾液、胃酸、胆汁、膵液が分泌される。
数cc入れたあたりから、急激に分泌が増加した。
しかし今のところそれら全てが(ガイドラインがあるにせよ)小腸を通過している。

ただ、本来の(中心静脈栄養が不要になる)必要量は、体重4kgで800cc/日ほど。
今はまだ100cc/日程、先は長い。そしていずれ壁にぶち当たるだろう。
その時どうするか、である。

今の12ccは口から与えてもいいのだが、
半端な量では、

「おこってしまう」


 − 先生、何が起こるんですか? −

「もっとよこせって、怒るんです。最低でも40は欲しい。」

90へー。

そして口から入れると空気も飲み込むので、
(通過に)悪さする可能性が高い。

ただ、口から飲ませないと、飲むことを忘れてしまう。
そして大事なのは口から食物を摂ることにより、雑菌に抵抗する物質や、
何より腸の成長因子まで分泌される。
なので母乳を昼の12時と夜の12時の日に2回、
口腔のケア時に綿棒に含ませ与えている。
しかしとても栄養の足しになる量ではない。


 − 先生、再手術はどうなんでしょう? −

とりあえず今のところ通過しているので、経過を見る。
細いなりに成長し、太くなって通過しやすくなればよいなと考えている。
急に膨満したり通過不良を起こしたら手術が必要であるが、
今のところ悪さをしていないので、予定はない。


そうですか、よく状況がわかりました。
とにかく今のところは順調なんですね。
明日からしばらくジジババが面会に来ますが、
宜しくお願いいたします。


その先生のお話の最中ですが、相方居ない居ないバ〜をしています。
息子は広いベッドになったにもかかわらず、
何故か手前の柵にぴたっと寄り添う事が多いのだそうです。
または真横。

「狭い保育器で、壁がないと落ち着けんようになったんかもしれん」

N先生のご冗談。
厳しいN先生ですが、今日は初めて笑みが見られました。
もっと早く躓くとお考えだったそうです。

で、壁を利用し、居ない居ない〜です。


さて、やっと抱っこ。
点滴を減らさざるを得ない状況は、逆に移動には楽なんです。
私も扱いが乱雑になってきており、

「ヒョイ」

と我が膝の上に。
相変わらず高い〜とガウ〜しか芸がありません。

ふと視線を感じ正面を向くと、保育器の前に立つお父さんでした。
保育器の子供は原則抱っこ禁止です。
うらやましかったのでしょう。

しかし私もコイツに会えるのも、1〜2ヶ月に1度です。
数日の滞在で1日1時間。
1年で累積24時間になるでしょうか?
そして1時間の半分、30分は相方が抱きます。
私は1年間で12時間しか我が子に触れることができません。
遠慮できるだけの時間が与えられてないのです。

私たちも不安で眠れぬ日々を過ごしました。
泣いてる側で嬉しそうに子を抱く親をたくさん見てきました。
私もきっと同じ目をしていたことでしょう。

あなた方にも平穏な日が1日でも早く訪れることを祈っています。
だから、申し訳ありませんが、私も息子と会えるわずかな時を楽しませていただきます。
相変わらず汗をかきながら、持ち上げ揺さぶり続けました。

次は相方。
なぜ相方には「あうあう〜」するんだろう?
俺に対するリップサービスは無いのか?!

しばしのお別れの時間が迫り、相方はとても悲しそうです。
チューブが何本かぶら下がっていますが、
見てくれはとっても元気なんです。
持って帰りたい位なんです、本当に。

気がつくと、面会に訪れていた人は一人も残っていません。
もう行くからね。
次に会う日まで、頑張って生きるんだぞ。

丁度眠りについた息子をベッドに寝かし、
先生方とナースさん方に再度お礼を述べ、
NICUを後にしました。

昨日よりは反応良いケド・・・

なかなか喋ってくれません。
ずうっと喋りかける相方。
笑うか喋るか、なんかしろよ。
笑っているように見えますか?
そろそろ時間です。
今日は子も疲れてきました。
ベッドに戻すと、すぐに寝てしまいました。
じゃあね、また来るから。
いい子にしてるんだぞ・・・。