平成19年4月10日(火)
昨晩久しぶりに嫌な夢を見た。
Sが成長してゆくにつれ、次々と新たな障害が出てくるというものだ。
最近鼻ッ柱や膝裏にちょっとした発疹があるのが気になったのだろうか。
ちょっとした変化を捉えることが、後の治療に役立つことも多かった。
過敏なところもあるのだろう。
Sが緊急入院して手術した3年半前。
すぐに小児の短腸症候群は情報が少ない事に気が付いた。
今思えば短小腸は腸軸回転異常症の結果であり、
腸軸回転異常症自体がまず多い疾患ではないからだ。
また腸軸回転異常症があると、早産だったり他の内臓にも問題がある場合が多く、
中腸軸捻転で大量に小腸を失い栄養状態が悪くなれば、
まず生きてゆくことが難しいのだ。
いくらIVH等人工的な手段が発達しても、人間の身体機能にはかなわない。
「2歳の壁」
というのものがあると聞く。
何らか障害がある新生児が「生き永らえるかどうか」
2歳を超えることができれば、その後も生きられる場合が多いというのだ。
確かに命が尽きる子は、不思議とそこまで保たなかった。
更に短腸症に関しては、
「10kgの壁」
というものが存在する。
経口による栄養摂取が不十分でIVHにその大部分を頼らざるを得ない場合、
まず10kgを越えることが難しいのだ。
Sもその壁にブチ当たった。
何度も後ずさりし、助走をつけたが体当たりして跳ね返された。
やっと向こう側に降りた時は、病室で歓声が上がる程だった。
しかし乗り越えられずに力尽きてゆく子を何人も見てきた。
この壁は厚く、高くそびえ立つ。
それ故、小児の短小腸は症例数が少なく、情報もまた乏しいのである。
Sは他に全く障害がなく、かつ体重も十分で生まれて来たのが幸いした。
そして多くの方が懸命にSの命を守って下さった。
腸と栄養のスペシャリストに出会ったのも運命だ。
Sが生まれてすぐに食べられない身体になり、
「何て不幸な奴だろう」
と思った。
どっこい多くの方から力をもらい、
必要な時に必要な人に出会うという運が備わっていた。
一生分の不運が最初で使い果たされたと願いたい。
身体的なものであれ、脳神経的なものであれ、
子供に障害があるというのは非常に辛いことだ。
病院でも多く見てきたし、身近にも頑張っている家族がいる。
Sでさえこれだけ苦労するのに、
日々の労力と将来の不安は私達にも計り知ることができない。
Sは食事制限と服薬以外は殆ど普通と同じになっている。
また胃ロウを含めそれらは成長と共に解除されてゆく。
これだけありがたい事はない。
なんて格好良い事を書きながら、
午後は仕事を休み子と遊んでいる自分が居る。
おママの体調がイマイチ&寝不足なのを理由にだからだ。
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公園の林の中でおやつ。 だって会社に居るよりこの方が、 俺の寿命も20年延びるってもんだ。 |
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辺り一面桜吹雪だった。 |
広場で駆けっこ、その後ショッピングセンター。
もちろん買い物はせず、散歩だけ。
何故か階段が下手になっている。
特訓させようと思ったが、何と自発的に階段を上り下り。
「行って来ま〜す!」 「ピンポーン!ただいま〜!!」
と言っては絶え間なく駆けずりまわり。
って、俺の真似か。
10段ほどの階段だが、少なくとも1時間は登り降りしていた。
最後は疲れ果て四つんばいになって登っていた。
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ン・・・ |
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ヤッ! 跳べない男のジャンプを捉えた貴重なショット。 |
やはりウチの中から出られずに、相当我慢していたのだろう。
正に「発散」が適当な言葉だ。
大好きなおママが相手してくれるわけでもなかった。
本当に良く動いた。
そうなると、夕食も就寝もスムーズだ。
疲れすぎたのか少しキーキーになったが、
昔のそれと違い、言葉だけではなくまず動き先行している。
こちらが制して落ち着かせれば良い事だ。
とおママに教えられた。
おママの体調も、今日は若干上向き傾向が見られた。
今晩も早く寝たので、きっと回復してくれると思う。
病気と闘う幼い子を持つ親は、倒れてはならないのだ。
どこかで手を抜くことも大切である。