平成21年1月12日(月)


面会。

遅いとほっぺを目一杯膨らませて怒るS。
だって昨日この時間でもいいって言ったのオマエだろ?

S「待ちくたびれた!も〜!!」

特殊な状況は語彙を広げるなぁ・・・。

今日もおママからのお手紙が。
何故か裏から指でなぞって読むS。
ウルトラマン80だ!

退院するときのために家においとくつもりが、
おママが手紙に持ってくって書いちゃったからな。


ところでオマエ、血便が出たってホント?

S「ううん、トマトだよ!」

ト、トマトだったの??

後でAOさんに確認すると、やはりしっかり血便であった。
Sは「トマトの皮のような血が混じっていた」と言いたかったらしい。

さあ、トイレに行ってさっさと七田やろうよ。

ところがトイレで一波乱。

S「Sちゃんだけおやつがないの・・・」

食事の制限があるから、おやつ分捻出するのが難しいんだよ、きっと。

S「お腹空いてるの!」

だよなぁ、半量だからな。
まぁ、退院したらおやつ食べられるよ。

S「退院しても、おやつないかもしれない・・・!」

オイオイオイ、ずいぶんとマイナス思考じゃんか。
Sの食事制限は1日トータルの管理だから、
おママが上手く割り振って、おやつ食べられるようにしてくれるよ。

S「おやつ食べちゃダメって(先生に)言われるかもしれない!」

だからそんなことないって!

S「お腹に悪い菌がついてるから!」

もう、目一杯に涙を貯めて堪えている。
空腹で滅入っているな。
でもそれだけお腹が空くっていいことだ。
直にお腹も治ると思うよ。

とにかく再度Sをベッドにセット。

それでも怒り治まらず。
あれ、Sちゃんの晩ご飯かも!

他の子がおやつを食べたゴミだよ。


とにかく早く忘れさせるため、さっさと七田スタート。

迷路。ゴールに着くのはどの入り口?
見もせずに、

どこも(ゴールに)着かない!!

と、自暴自棄モード。
ダメだこりゃ。


しかし進めるにつれ、次第に乗ってきたS。
気が紛れれば、こっちのものだ。
勉強(本人にとっては遊び感覚)が好きで良かった。


相撲の初場所が昨日から始まっていた。
実は昨日Sに、

S「そろそろお相撲じゃない?」

と聞かれていたのだが、まだまだ先だよ、と答えてしまった。
お昼にババ様から昨日から始まっている事実を伝えられ、

S「初日を見逃した!」

と、来る看護師さん来る看護師さんにボヤいていたらしい。

「もうそれ3回聞いたよ」とAOさん。

吸入も、相撲観戦しながら。
両手離しで慣れたモノだ。
それでも夕食前には空腹が頂点に達し。
キター!

とすぐ食べるかと思いきや、
一つ一つ内容を確認してウンチクを垂れる。
食べ始めれば、ガッパガッパとカッ込むS。
ハンバーグも丸かじり。
このサラダ、キュウリだけじゃん!

そこで少し失速したが、あっという間に完食した。



大好きな大相撲のTVを見ながらの食事に、

S「たまには入院もいいねー!」

後で泣いてもしらんぞ。

薬をもらって、味のウンチク。
今日は粉のまま飲む!

さ、砂糖もなしにか?!

S「にげっ!」

と言いながら、お茶で流し込んで飲んでしまった。
相変わらず服薬は得意中の得意だな。

食後の歯磨き。

ずいぶんスマートになったな。


観察室は入院時からS1人。
喉、腹共に菌持ちなので、一般病室に移動しにくいのだろう。

トイレ以外に観察室からは出られないが、
逆に広々使えるのはありがたい。


体を拭いて、寝巻に着替える。

胸、横腹、お腹に発疹が。
痒そうだ。
今年になってから、まだ風呂に入ってないからな。
Sちゃん・・・クサイ?

あ、気が付いた?


今年に入ってから、まだ風呂に入ってないからな・・・。
絵本読んで!

と延々ウルトラマンの必殺技を読まされた。
最後にトイレに行ったところで、久々ワゴン。


あれだけ毎日配膳業務に就いてたのに、

「覚えてない・・・。」

とS。

いいよ、気にするな。
それが正直で、本当のことならば。

でも、昔の日々の積み重ねで今のオマエになってるんだ。
忘れてても、その身になってるんだよ。
感謝の心を忘れちゃイカンぞ。


帰り際、バイバイするところでOGさん。
Sの相手をしてくれた。

Sが入院した1月2日夜、
Sの様子から気管挿管を薦めてくれたのは、やはりOGさんだった。

急性口頭蓋炎は喉の奥の炎症なので見落とされる事があり、
しかも急激に悪化して気道を閉塞するので、不幸な結末となることがある。
命の恩人である。


それにしても今回の入院では、Sは拍子抜けするほどサラッとバイバイしてくれる。
DVDをセットして、じゃあまた明日!
アレ?体調が戻ってもこんなもんなのか?と思いつつ部屋を出ると、
丁度配膳の方がいらしたので、しばし立ち話。

最後にチラッとベッドを覗くと、
SはDVDを見ながらも涙を堪えて口がへの字に曲がっているではないか。

Sは自分の状態を非常によく理解しており、
食事が少ないのもおやつがないのも我慢している。

おママが面会にこれないのも解っており、また私が帰るのも全く引き留めない。
よく頑張っているなと思う。

Sと目が合ってしまった。
気を残さぬよう、帰ると決めたらさっさと帰るべし。
こういう生殺しが一番良くない。
急いでその場を立ち去った。

仕方ない、明日もできるだけ早く来てやろう。


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