平成21年7月18日(土)


今日、Sが2泊3日のお泊まり会から帰ってくる。
極楽生活の終焉

5歳の年長が親元を離れ、遠くで2泊。
おそらく多くの子が初体験であろう。

Sもずっと長いこと親とは別々、病院で過ごしていたが、
それは看護に守られた世界であった。
私達もまた、病院の記録や報告のない、
全く見えない場所にSを出すのは初めてだ。


この宿泊体験により、皆自立心が養われ、大きく変化するという。
任意参加になったにもかかわらず、
また当日体調不良によりキャンセルの子が出てもおかしくないのに、
出席率は100%であった。
それだけ親の期待も大きく、ここに照準を合わせてきていることが伺える。

もちろん、私達も同じ思いである。
せっかくなので、私もSの回収に同行することにした。
どれだけ変わったか見届けてやる。


薬やサプリメントの服用、食事の調整については、
引率の先生に、出来る限りわかりやすく説明したつもりだ。

しかしそれを確実に実行して頂いたにせよ、
言葉は悪いが、所詮これまでのグラム単位の管理にはほど遠い。

また軽い体調不良と、手当が必要なそれと、
5年間短腸症候群と闘ってる親でも見分けが難しい。

途中園からSの体調不良等の連絡はなかったが、
果たして今現在も元気なのか。
集合場所に向かう私とおママは無言になる。


先に買い物を済ませようと、早めに集合場所に出向いたが、
園児達ももう既に到着しているではないか。

Sの姿が見えない。
気が付くと、必至で目で探していた。

あ、いた。
珍しく、足を投げ出して座っている。
こちらに気が付いても、
特に喜ぶ様子無し。

っていうか、あんだその手は?

先生に、様子を伺う。

凄く元気にしていた。

(指示通り)食事のおかずを減らしたら物足りないようで、
食事の時にはいつもションボリしていた。

ウンチは昨日1回あっただけ。
しかし今朝の朝食後、軽い腹痛を訴えた。
少し休ませたら回復した。

帰りのバスの中でのオヤツ、
全量与えて良いとされていたので本人に伝えたら、凄く喜んでいた。

クッキーを一枚一枚、うんちく垂れながらこれは何の形だとか喋りながら食べていた。



行程最後のオヤツなら、それでお腹を壊しても構わない。
家に居れば、トイレにも行けるから。
ずっと我慢の連続だったから、最後くらい食べさせてあげよう。
おママの配慮が的中だ。

それにしてもお腹を崩さなかったのは、
こちらの細かい指示通り、よく実行して頂いたからだと思う。
引率の担任の先生には、本当に感謝である。


でもSは、先生とのお話の間も、
どことなくよそよそしい。
時折おどけるが、
目が・・・こぶ平になっている。
声をかけられても伏し目がち。

はっは〜ん、と思った。
コイツ、相当疲れている。
だって、あの時の反応と同じだもん。

そういえば先生、

初日の夜は、殆ど寝ていないようだった。

あらら。
大事なのはここから。ここで休ませないと大崩しする。
同じ過ちを繰り返してはならない。

完全に表情なし。
しかしまあ、
食事も量の調整はしたとはいえ、
普通の子と全く同じメニューで、
よくぞ耐えられたものだ。

残存小腸17cm。
医学常識からは、脂肪云々以前の問題、
固形物を食べるなど考えられないのである。

それがどうだ、
他の子とほぼ同じものが食べられるまでになっている。

苦節5年半、八合目。
いや頂上まであと僅かの所まで登りつめた。


この2日間、私もおママも、
心配はSのお腹だけであった。
あと鈍くさいので、海辺で波にさらわれたり

より精神面での発達は願ったが、
2泊離れて、寂しがったり泣いたりしないか、
そういう心配は皆無であった。

長い入院生活で、お互い失ったものは大きい。
しかし得たものもまた、大きいのである。
とても疲れているはずなのに、
帰宅後すぐに、

ウルトラマンのへんちん(変身)アイテムを作る・・・

ウルトラの霊に取り憑かれてるかのようなSであった。
落ち着いたら、
ジジババに無事を報告。

ちなみにトマトと玉ねぎは、
Sがお泊まり会で持ち帰った獲物。
だからリュックが重かった




夜、おママとミーティング。

本来、胃ロウが外れるのは、食事形態がアップされる時である。
食事形態が上がる時とは、腸が強くなりその時の食事形態では吸収が万全、
更に脂肪量、総カロリーを上げても腸が耐えられると判断された時である。

次の食事形態アップ時には食事管理も程々、もはやグラム単位のそれではなく、
目分量で良いとされていた。

今回は半ば無理矢理胃ロウを外すお願いをしてしまった。
果たして今はどのような食事管理をすればいいのだろうか。


胃ロウの夜間注入がない分、食事のカロリーを上げざるを得ない。
つまりは食事形態をアップさせなくてはならない。

本当にゴーサインが出た時なら目分量の調整でよいのだが、
まだ腸の調子が万全でなく、食事形態を上げるだけでも酷である。
ここで目分量で調理してしまっては、更に腸の負担が増加する。


どうせ2週間のトライアル。
きっとダメさ、また胃ロウ生活に逆戻り。

だったら好きに食べさせてみるか?
どの程度までSの腸が耐えられるか、
それに適当管理は何より楽だし。


しかし、でも、もしかして・・・。

食事形態をアップした内容でも、
きちんと管理を行えばお腹が耐えてくれるかもしれない。
以前先生の予想を裏切り、IVH離脱を果たしたように・・・。

おママは意を決しPCに向かい、本腰を入れてメニューの作り替えに取りかかった。
この2日間が、私達に再び立ち上がる力を充電させてくれたのだ。

おママは、以前このHPの読者様から頂いた、保育園の給食のメニュー表を引っ張り出す。
当時見てもわからなかったその巧の技に、おママは思わず感服してしまう。
当時、それがわからなかった。
いや、Sの食事がそこまで追いついていなかったというのが正確か。

いつの間にか、技が見抜けるようになっている。
それだけSの食事が普通の子に近づいてきたということだ。

あと少し。
小学校に上がるまでにはカタがつく。
もうひと頑張りだ。


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