平成15年10月14日(火) その6

11:20、手術室に入る。
腸のいいところが点在している場合、繋ぎに時間がかかります。

「手術よできるだけ長引いてくれ!」

普通とは逆に祈ります。

息子が腸を切られている間、先生方が格闘されている間、
私の頭はこれからのこと、子の将来、私たちの未来の事しかありませんでした。


 もしかして、一切口から食べることができない子。

 人間の5感の一つ、味覚を禁じられた子。

 食欲という欲を満たすことができない子。



一体どうすれば、どう育てていけばいいのでしょう?
いくら考えても理解することすらできません。

その瞬間、浮かんで来た言葉があります。

「もしかして、いっそのこと、死んでくれた方がいいのか?」




・・・私は悪魔でしょうか?
それとも阿呆なのでしょうか?
誰が私を責められますでしょうか?
・・・そう、息子本人でしょう。

「何を馬鹿なことを!絶対元気になってくれる、例えどんな試練があっても我が子を育ててみせる!」

「さっき目を開けてくれたじゃないか!絶対生かしてあげなきゃ!」


しかし頭の中をぐるぐると回ります。


ふと気配を感じ見上げると、執刀のN先生でした。

その7に続く。