平成18年11月5日(日) IVH終了137日目
今日は外泊後の拡大カンファレンス。
おママは精神保健福祉士資格受験の直前講習で欠席。
このカンファレンスは、
1.試験外泊を終え、不安や問題点を共有し解決すること
2.栄養剤等の変更について
3.長期外泊トレーニング実施にあたって
の3点を話し合うことが目的である。
TB先生、KN先生、休日出勤のIOさん、夜勤明けのAOさん、私である。
1.試験外泊を終え、不安や問題点を共有し解決すること
外泊を体験し、いろいろ疑問点等がでてくるもので、一つ一つ聞いていった。
Q:胃ロウのルートが少し短いように思う。
寝相が悪く、ピンと張ってしまうことが何度もあった。
もう少し長くできないか。
A:長すぎるのも絡んだりして危険である。
点滴台の置き場所は、頭の上だと首に絡まる危険があり、
逆に足元だと、動きの激しい足に絡まってしまう。
やはり横に置くべきだろう。
あと30cm程度長くするよう方法を検討する。
Q:朝のオムツ交換時に、オシッコを大量にしていることに驚いた。
夜間胃ロウから栄養剤を滴下しているせいだろうか。
だとしたら、夜間のオムツを外すことは難しいと考えるが。
A:やはり夜間の胃ロウの影響である。
寝ている間にしてしまうのもやむを得ないだろう。
ただし、胃ロウからの栄養剤の量は長期的に減らしてゆく。
Q:外泊時に便が多くて苦労した。
これは1回で全て出し切れないことが原因と聞いてはいるが、
将来的にはどうなるのか。
A:まだ便も緩い。固まってくると一度に出やすくなる。
もう少し腸が成長し訓化(小腸の長さに適応が起こること)すれば、
だんだんと硬い便になってくる。
腸の残ったところも2〜3倍に成長する。
その成長は、残存部位と切除後の管理によって2倍なのか3倍なのか決まる。
しかしそれは成人になる時までに起こること。
まだ1や2年では倍にもならない。
今は日に6〜7回の便があるものと考えている。
Q:頻回に便がるとすると、念のために保護剤を処方して置いてもらいたい。
もちろん清潔を保つよう心がけるが。
A:トイレトレーニングが一番である。しかしそういうことなら保護剤は処方する。
Q:どうもトイレですることを嫌がっているようにも感じるが、
便意を感じにくいということはあるのか?
A:便が緩めなので、若干わかりにくいかもしれない。
しかし何よりトイレトレーニングがまだである。
これはやらないと身に付かない。今の状態では仕方がない。
Q:最近胃ロウから少量だが出血しているようにも思うが、
ガーゼを頻回に取り替え清潔を保たなくて良いのか。
A:肉芽であろう。何れ皮膚がトンネルを覆えば、肉芽もできなくなる。
また気管の瘻(ロウ)では閉塞等懸念があるが、胃ロウは心配ない。
1日1回の交換でよいだろう。
Q:胃ロウのルートであるが、洗浄しにくいがどうすればよいか。
A:お湯を通して洗うのが一般的である。又は酢を通すのも良い。
酢はタンパク質を硬めるし、それ自体殺菌作用もある。
お湯を通した後に酢を通し、再度お湯で洗うとよい。
しかし何よりよく乾燥させるのが大切である。
濡れたままだと雑菌が繁殖しやすい。
そのためにもルートは月4本渡すので、交互に使い乾燥させることが重要である。
Q:食事について、実際に自分たちでメニューを作ってその難しさを実感できた。
食物繊維等、どれくらいシビアに調整する必要があるのか。
A:大体でよい。食物繊維は5g「前後」でよい。
食事からの(不溶性)食物繊維は制限しているが、
水溶性ファイバー等のサプリメントを併せると、
食物繊維の量は足りている。
食物からの繊維が増えると、便量に直接現れる。
10gまで増やすと・・・便量もかなり増える。
との事であった。
2.栄養剤等の変更について
(1)ラクトフェリン、ビフィズス菌のサプリメントについて
1)ラクトフェリン
これまで使っていたオリヒロのラクトフェリンが中止になった。
腸溶剤(固形の錠剤・カプセルではなく)のそれは森下仁丹のこの製品だけである。
ラクトフェリンの小児小腸への影響に関する詳細なデータは取られていない。
しかしサプリメント感覚で、オムツが外れ便が固まる頃、小学校入学前ころまで使いたい。
1日量を朝晩に分けて投与する。
2)ビフィズス菌について
オリヒロのラクトフェリンにはビフィズス菌も含まれていた。
森下仁丹のそれにビフィズス菌は混合されていないので、別途投与する必要がある。
ブィフィズス菌のサプリメントは非常に種類が多い。
ブィフィズス菌の含量も各製品さまざまである。
ブィフィズス菌は胃酸によて半分以下になると言われている。
しかし短小腸の場合、腸溶剤は腸で溶ける前に通過してしまうかもしれない。
ビフィズス菌投与の目的は、
いつも常に投与することにより腸内の腸内細菌叢を安定化させることである。
成人の研究例で、腸内細菌叢が崩れることによりアシドーシスになるという報告がある。
反面非常に穏やかな作用で、多く取りすぎても問題はない。
よって好みで選んでもらえば良いだろう。
通常量の半分〜全量を与えれば良いであろう。
(2)栄養剤の選択
胃ロウの栄養剤は
・ライフロン200mL
・エレンタール120mL
・イントラリポス32mL
である。
ライフロンは医薬品ではなくサプリメントであるが、近い製品にラコールがある。
これは医薬品として保険適用となる。
主な違いは、
| ライフロン | ラコール | |
| 保険適用 | × | ○ |
| 繊維質 | 含有 | なし |
| 脂質原料 | 魚油 | 大豆、シソ油 |
である。
ライフロンは1日200円くらいである。
しかしながら魚油にはω3脂肪酸の中で重要な成分がEPA(エイコサペンタエン酸)と、
DHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれている。
脳の構成は脂肪が高い割合を占めているが、
これらが不足するとω6脂肪酸に置き換えられる。
そうなると「落ち着きのない子」になるという報告もある。
ただサンプル数が少なく、何とも言えないが。
ライフロンは医薬品ではないので、直接業者からの購入となる。(ラコールは薬局処方)
どちらでも良いが、来週木曜日ころまでに決定して欲しい。
・・・先生、そう言われる安価(保健適用なので)なラコールに変更しづらいです。
これまでライフロンで上手くいっていますし。
体が大きくなると、比して栄養剤の割合が減る。
影響が少なくなってから変更しても良いだろう。
わかりました。おそらくライフロンにすると思いますが、
持ち帰り検討し、ご連絡します。
エレンタールであるが、将来栄養剤を減らしてゆく際、まずエレンタールから切ってゆく。
40gを水250mLに溶かし0.65kcal/mLとする。
そのうち120mLだけ使う。
高栄養なので傷みやすく、余りはそのまま廃棄した方がいいだろう。
3.長期外泊トレーニング実施にあたって
栄養剤の種類(ライフロンorラコール)を決めて欲しい。
チューブの延長は検討する。
また1日のタイムテーブルを1週間分作成して提出すること。
平日・休日の別でも良い。
更に献立を3日分程度でも良いので出来た分だけでも提出すること。
了解です。
以上が拡大カンファレンスの内容であった。
あと懸念していた3歳児健診について再度質問。
健診は当院の外来でうけることができる。
実施内容はそれほど難しいものではないが、
自分たちだとどうしても外科的見地から見てしまう。
見落としがないか、健診は他の先生に見てもらう感覚で受けさせる。
特に今すぐ受けなくてはならないという理由もない。
そうですか。
退院まであと少し、今慌ててすることもなさそうですね。
退院後頃合いを見て決めたいと思います。
拡大カンファレンスは約1時間ほどで終了。
私、調子に乗ってペラペラ喋りましたが、書記のAOさん大丈夫でしょうか・・・。
病棟に戻ると、子は食事もお風呂もまだとのことであった。
オムツすら替えさせなかったそう。
さっき私を見かけたので、
「おパパとする!」
断固拒否したそうだ。オー、大変だ。
オムツはカピカピウンチが。
冗談かと思ったら、本当に
「穴ぼこが痛い」
と言っている。
だったら早くオムツ変えてもらえよ。
ご飯も完食、だがみそ汁最後の一口はウンチにより絶たれてしまった。
家では「ウンチが出る」宣告から本当に出るまでの時間が短かったが、
病院ではかなり間がある。
やっぱりトイレが嫌いなようだ。ふぅ。
以前いた赤ちゃん部屋の沐浴槽で入浴、もう頭が上の棚にぶつかりそうだ。
本当に成長したよ。
SZさんが、カンファレンスで聞きそびれたことはないか、声をかけてくれた。
2年の歳月の思い出話に花が咲く。
病院に居るのもあと1週間、その後は外泊となるのだ。
退院当日は非番だが、見送りに来てくださるとのことだった。
ありがたい。
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それじゃあ、手が切れるって・・・。 |