平成19年10月2日(火)
昼、携帯が震える。
おママからだ。
今日はSを連れて、
先日受け入れを約束してくれた幼稚園に顔を見せに行く予定にしていた。
どうぞいらっしゃいと言われたモノの、より入園を確実にするため、
また入園後もよく目をかけてもうため、今から顔を売っといても損じゃない。
嫌な予感がする。
得てして、そういうのは当たるものだ。
すっかり受け入れてもらえる気で挨拶にいったのに、
断られてしまったと泣きながら電話してきたのだ。
私達の幼稚園に対する期待は大きかった。
感染症が腸の治療の妨げるため、
特に子供の集団には入らないようTB先生から指示されている。
しかし4歳にもなれば体力(免疫力)も強くなるので、幼稚園は年中からOKと言われている。
よって今はSを他の子から遠ざけ、できるだけ接触を少なくしているが、
そのためか子供同士のコミュニケーションが下手で、また動きや言葉もぎこちない。
幼稚園での集団生活は、今のS欠けている部分を成長させ、
また治療に大切な「食べる姿勢」にも良い影響があるだろうと、
私達は本当に大きな期待を寄せていたのだ。
おママから話を聞いても、どうも納得がいかない。
おママ自身、園長先生が保育園でも探してみたらと薦められたり、
ガーゼ交換は難しい、服薬は責任持てないなどと、
はっきり断わりの文句を言うわけでもないし、不完全燃焼のままなのだ。
おママからの電話を切って、すぐさま園長先生に電話してしまった。
(ちなみに園長先生は女性である)
私「先ほど妻がご挨拶に上がったところ、どうも入園を断られたようですが。
状況が理解できずにお電話したのですが、どういうことなのでしょうか?」
園「他の先生や、園、医者に聞いた結果、やはり胃ロウがあるお子さんに対して、
100%安全を確保できるかわからないということになりました。」
あらら?
まるで別人のようなお話。
私「医者にも相談されたのですか?医者が胃ロウの危険性を指摘するとは思えません。
どこの医者に聞いたのか教えて欲下さい。」
園「そこまで教えることはできません。」
私「確かにその通りですね。でも、本当に医者に胃ロウのことを聞いたのでしょうか?」
園「・・・医者とは言ってません。他の先生方、と言ったんです。」
・・・はぁ。私のそら耳だったのか?
園「それに胃ロウのガーゼ交換が、医療行為になるかもしれませんので、
お受けできるかどうか・・・。」
私「ガーゼ交換が医療行為になるんですか?」
園「いえ、なるかもしれないので・・・」
私「では、ガーゼをしなければ大丈夫なんですか?ならばガーゼ無しも検討します。」
園「・・・以前ペースメーカーを入れているお子さんが、急に具合が悪くなったことがあります。
そのようなことが起これば、私共も申し訳ないし、ご両親も心配でしょう?」
私「でも『気管挿入している子ですら預かっている位だから大丈夫』って仰ってましたよね?」
そうなのだ。前回の説明会の時、先生は私達の身の上話を時間を問わず聞いてくれた。
私達は胃ロウやそのガーゼ交換、食事制限、服薬等々全てをお話しした。
きちんと話せば対応可能であることを理解してもらえると、信じて疑っていなかったからだ。
それに対して先生は、
私は自閉症の子を研究していて、
その話から自閉症の子の希望者が殺到したことがありました。
さすがにその人数では職員の手が回らず断わざるを得なかったが、
定員も市の規定より上回ることもないし、(入園を)希望されれば断る事はまずありません。
ウチは気管挿入をしている子も預かっているんですよ。
って、胸張って誇らしげに言ってたじゃんか!!
園「あの子は園の関係者のお子さまでして・・・」
・・・はぁあ?
私「その話を聞けば、入れてもらえると期待するのが普通じゃないですか?」
園「そのようなつもりはありませんでした。そう捉えられたのですか?」
他に何をどう捉えるのよ?!
私「で、どうなんですか?預かってもらえるんですか?拒否されるんですか?」
園「拒否とかどうとか申し上げることは・・・」
私「はっきりしてもらえないと、こちらはどうしたらいいのかわからないんですよ!
願書を出していいのか悪いのか、どっちなんですか?」
園「拒否というわけではありませんが、
それほどお父様がそう高圧的に出られるようじゃぁ、
お断りするしかありませんね。」
デタ〜。
相手は私立、親の資質のせいにして切りにかかられちゃあ、箸にも棒にもだ。
拒否はしないが、お断り。
どう違うのだろう?
この園とはもう終わりだ。
が、とても納得できる所ではない。
私「高圧的に感じられたのなら謝ります。しかし受け入れてもらえてると信じて疑っていなかったのに、
状況が180度変わって慌てているんです。」
園「それはよく理解できます。誰だって子供の事は一番に思いますから。」
私「であるなら、拒否されるのかはっきりして欲しいというのもわかりますよね?」
園「・・・もう一つの園からも同様に断られたんでしょ?」
だからウチだけ悪者じゃないって言いたいのか?
そんな事を問うているんじゃないのに。
私「はい、そこからは入園させるわけにはいかないと、断わりのお返事頂きました。」
園「お母様は『もう幼稚園には入れなくていい』って納得されて
帰られましたよ?」
アホウ、それはオマエに見切りをつけての言葉だって見え見えだ。
一部分だけ切り抜いてきて、俺が「そうですか、解りました」
って折れると思うか?タワケが。
おママが刀を振り下ろしたんだろ?瞬間の姿が目に浮かぶわ。
私「子を幼稚園に入れないなんてことはありません。父親の私が幼稚園に入れる考えですから。」
園「そうなんですかー。お母さんからはそう聞いていたのでね〜。
それなら他の園や保育園はどうでしょう。他を当たられたら・・・」
まだ言うか。
私「ですから先生の所でお願いできると信じていたので、他は探していないんですよ。」
園「他を探してるんじゃないんですか?
さっきもう一カ所行かれたって仰いましたよね?!」
・・・デタ、言葉ジリの挙げ足攻撃。
ちゃんと会話しようよ・・・。
私「だから、もう一箇所は聞きに行きましたって。そこは断られたって申し上げたじゃないですか!」
園「やはり高圧的な態度に出られるのでしたら、それ以前の問題でしょうね。」
アンタの態度がはっきりせんからだろうが・・・。
私「ですから、先生の答えで子供の将来が変わるからですよ?」
園「お気持ちは、よくわかります。でも高圧・・・」
園長が、早いとこ話を終わらしたいのも、あしらいたいのもわかっている。
どうしても、どうしても納得がいかない。
今日、たまたまこちらから出向いて会いに行かなかったら、
どうするつもりだったのだろうか。
ウエルカムで手をこまねいていたのに、
いざ願書を取りに行ったら門前払いになるところだったのだろうか。
もちろん、こっちの連絡先は残してあるんだ。
私「こっちは子と私達の将来がかかってる。こういうときに親が懸命になるのは当然と思う。」
園「それは、そうですよね、子供のことは大事ですから」
まだ言うか?
私「先生は園の責任者ですよね?責任者だけで判断できないのであれば、
しかるべき立場の方々と協議して、受け入れ可能か不可能か、結論を教えて下さい。」
園「それほど高圧的になるのだったら・・・」
その後も同じような問答が悶々と続いた。
果たして先生は、いつ断るつもりだったのだろう。
危うく別の方法を探す時間も残されず、放り出される形になるところだった。
俺達の人生を、ないがしろにされた気分だ。
結局先生は渋々と回答を出すことに了解し、今月5日までには連絡する約束を取り付けた。
園「5日だったら15日の願書配布にも間に合いますよねぇ?!」
と、園長は半分キレかかっていたが、カレンダーをよく見てモノ言え。
市内幼稚園の願書配布の15日まで、平日があと何日ある?
事前に見学だって行かなきゃならんのに。
さっきから怒っているのはこっちだってんだ。
勿論、それで答えが変わることなど期待してはいない。
受け入れできないならさっさと、しっかりと断ってくれ。
いやむしろその方が次のスタートを切ることができる。
はっきりしてもらいたいだけなんだ。
Sの来年を確保したい、ただそれだけなんだ。
−そして誠意が欲しいんだ−
「連絡が遅れて申し訳ないが、実は・・・」
欲しいのは仁と義だ。
その一言の言葉をくれれば、それでよいのに。
期待させてしまった事への詫び、それと明確な断りがあれば納得できるのだ。
当然訴訟なんか起こす気など毛頭ない。(無駄無駄)
しかし、そもそもそんな話すらなかったかのように扱われては、
どうしても納まりがつかないのだ。
私達が夢を見ていたとでも言うのだろうか??
胃ロウが小学校前に外れるなんて素晴らしい。
ここでその喜びを共にできれば嬉しく思う。
って言葉はどの口からでたのだろうか。
救いの神かと思っていたら、とんだ食わせヤロウだった。
「期待をかけさせ、すまなかった」
どころか、
「そんなことは言ってない」
と来たもんだ。
どうせちょっと真剣に見つめたら、考えが変わったんでしょ?
だったらそう言えばいいのに。
おかげで貴重な時間と気力を浪費した。
ここまで気分を害することも、なかっただろう。
「一番大切」と口で言いながら、あからさまに不誠実な対応されるので腹が立つのだ。
先生、自分の幼い生徒には、
「決して人に謝るな、都合の悪いことは煙に巻け」
と教えてはいるまいな。
まさかとは思うが、そう考えると怒る気力も萎えてしまった。
夜。
私が帰宅する前に、その園長から家に電話があったそうだ。
園「やはりお受けするには、私共の幼稚園は力不足のようです。」
決して断定することもなく、
また自分の過去の発言に対する謝罪の言葉も一切なかったそうである。
おママは笑顔で電話を切ったそうだ。
もうその園長とは口もききたくないそうだ。
まあ、今日行ってよかったよ。
何もせずに園長を鵜呑みに信じていたら、大変な事になるところだった。
よく話しを聞いて頂けたと思っていたが、口先だけのでまかせヤロウだった。
非を認める勇気も悪気も持ち合わせておられぬようだった。
そんな口八丁、手八丁のヤツの所に子を預けるなんて、こっちから願い下げだ。
詐欺に填る一歩手前という感じだ。
もう一つの園の方に断られた時は、何て酷い園だと思ったが、
よっぽど堂々として誠実な園だった。
今回Sの治療云々ではなく、現実の社会は非常に厳しいと目を覚まさせてくれた。
私達もSがあまりに元気で、また日々の管理に慣れてしまっており、
「受け入れられて当然」という頭があった。
前回幼稚園に訪問した記録も「受け入れ問題なし」としか書いていなかった。
こんな胃ロウ如きで断る方がおかしいと信じていたからだ。
しかし実際全く健常者からすると、明らかに「非日常」異常事態なのだろう。
小さくても医療器具。
社会の壁を実感する。
その勉強ができたことに関しては、園長に感謝する。
また振り出しだ。
でもまだ終わりじゃない。まだ間に合うさ。
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そうそう、今日は近医に日本脳炎の予防接種を受けに行った。
採血とはまた痛さが違う、筋肉注射。
針が刺さるとSは先生を見て「せんせい・・・痛いでしゅ・・・」
痛いでしゅ??
本日唯一笑える場面だったそう。
ちなみに来週2度目の接種を行い、1年以上3年以内に3度目の接種、
その後も本当は2回ほど接種が必要なようだ。
しかし既に日本脳炎ワクチンは製造中止、在庫が底を尽きかけているそう。
(来週2度目の分は既に確保してもらっている。)
1〜3年後、今のワクチンの在庫があるのかどうか、
もしくは新しいワクチンが承認され市場に出るかどうかはわからないそう。
現行のワクチンの製造は中止。
新しいワクチンの見通し立たず。
自己責任で希望される方は、お早めに。