平成20年6月5日(木)
園の歯科検診が、Sの藤が丘病院の受診日に当たることがわかり、
Sの回収時に先生に相談しようと園児が掃けるのを待つ。
園庭で遊んでいるS。
みんなでワーッと遊具に駆け寄る。
Sもワーッと付いて走る。
みんなはその勢いのまま遊具に登っていくのだが、
Sは遊具の前に来るとピタリと止まる。
上に上がった子達は、遊具を右から左、左から右に移動してゆくのだが、
Sは下で皆が行く方に付いていく。
ずっと特訓してきた公園の遊具より、幼稚園の低くて簡単なそれができない。
いや、きっと、おそらく、体力的にはできるはずなのだが、
やったことがないものは、決してやろうとしないS。
まずは、手をかけてみようよ。
足を乗せてみようよ。
Sの警戒心の強さ、いや段差高所に対する恐怖心は筋金入りだ。
そのスジはアキレス腱より強靱で、ガネは鉄骨より堅くて頑強だ。
ああ、またか。
Sは食べ物にも異常な程の慎重さを示し、
初めてのそれは決して自ら口に入れようとはしない。
短腸症候群という悪魔に対し、地道な食事管理で挑んだ闘い。
ただ、制限するだけでは腸は馴化してくれず、
食べられる物は、制限上限まで食べることが大切なのだ。
「食べて良いのに食べてくれない」
「食べなきゃならないのに、口に入れてくれない」
どれほどの苦労や心痛があったことか。
なぜ。どうして。
どれもこれも、Sのこの警戒心、意気地なさに起因している。
たかが、運動が苦手なだけ。
少々食べられなくても、ちゃんと大きくなっている。
生きられたんだから、いいじゃない。
きっと、殆どの方はそう思うに違いない。
しかしSのこの行動というか、思考というか、
情けない姿は私達の心の琴線に触れるのだ。
今までの苦しみが、一瞬にして鮮明に蘇る。
心に深く刻まれた傷は、そう簡単に癒えるものではない。
もうイヤだ。
とにかく早くスポーツクラブに入れてしまいたい。
が、これもSの慣れ・体力待ちで、この夏くらいか・・・。
園の昼食は任意の5〜6人のグループで食べるそう。
だいたいメンバーも決まって来たようだが、
S「○○君、イマイチ。」
S「○○君、あんまり。」
昼食時以外はその子達と何して遊んでるの?
S「殆ど遊んだことない。」
どうも、というか、やっぱりまだ溶け込めていないようだ。
本当に空気が読めないというか、マイペースというか、
今自分が今一つの状態にあることに気が付いていない。
だから、何を変えていこうとか、頑張ろうとかいう気になるワケがない。
「性根叩き直してやる!」と言ったって、
闘い遊びをやろうと言われたと思って、喜ぶだけだろうしな。
オノレS。
いつか見ていろ、オノレS。
何だか俳句みたいだな。
ふっ・・・。