平成24年3月1日(木)

ダウン症の発達で最も大切なのは、「目」。

視覚的情報により周囲に興味が湧くことで体を動かそうという意欲が出る。
首が座れば視野が広がり、視野が広がればハイハイにつながる。

しかしまず目が弱いから、見ようとしない、動きを追おうとしない。
興味が湧かないから動こうとしない、力が出ない。

ここにダウン症の難しさがある。


だが見ようとしないものを見させるのは、努力以外のなにものでもない。

ここで少し順序を入れ替える。
首を挙げさせる姿勢を作ることで、首座りを促す。
首がしっかり座ってもたげられれば、目に入ってくる情報量は格段に増す。



「首を挙げさせる姿勢」

この意欲のないヤツに「そうせざるを得ない体勢」のがコツ。
中途半端な、辛い姿勢がそれなのだ。




寝返りは、やる気がある時はうつ伏せで下になった「手」が抜ける。
やる気がないときは、手が抜けず、近くにある方の手を舐め始める。

ボケラの世界から引き上げる。

ただそれだけだ。



平成24年3月2日(金)

おママが、不調。
頭痛、悪寒、鼻水で、倒れそう。

ちょうどいつもの小児科クリニックに、Sの薬の処方をお願いしに行く予定であった。
おママの状態についてもアドバイス頂く。


で、どうだい?Hは。


先生、やはりHが気になって仕方がない。

臥せってても、ずいぶん首が上がるようになってきました。


首もずいぶんとしっかりしてきただろ?
ガクッと首が折れることもなくなったよね?



はい、ずいぶんとしっかりしてきました。


足は上がるようになったか?
自分で自分の太ももを叩くようになったかい?



いえ、両足が上がるようにはなってきましたが、
自分で叩くのは・・・。


太ももを叩くのは、自分の足を認識した証拠。
脚が上がるのも腹筋が強くなってきたってこと。
自分で叩くようになればいいね。



今は目のトレーニングをしっかりやっています。
でも、人は追うのですが、物はなかなか・・・。


今は人を追えば十分だよ。

で・・・笑うようになったかい?



まぁ・・・本当に時々・・・です。


あやして笑ってくれるようになれば、
声も出てくれれば、モチベーションも違うよね。



正に、仰る通りです。
(さすが先生)

続きもご指導頂きたいのですが・・・。


そうだね、でもインフルエンザがまだね・・・。


と話をしている間にも、高熱の患児が次々と来る。

こりゃ、まだしばらくはダメそうだな、残念。

写真のタイミングが悪いが、
それでもずいぶんと物も追う。
Sの抱っこ、
ずいぶん大きくなった、H。




平成24年3月3日(土)

朝からトレーニング。

大きな鏡が欲しいなぁ。




午後はSのプール。
次の進級課題は平泳ぎの足だ。

課題練習の前のクロールは、ずいぶん早くなった。
レーンの都合で半分の12.5mだが、後でSを誉めると、

S「2回しかいきつぎしてないからね!」

と鼻高々。

ああ、そうだったか。

せっかくここまで上達して、もったいないよなぁ。

学校のサッカーだったら、金銭的には併用継続可能か。
やっぱりそれが妥当かな。

お手伝い。
今日は雛祭り。
ご馳走だ。

Sはイクラに苦労していた。





平成24年3月4日(日)

床屋がてら、念願のおもちゃをゲット。
金あるな、Sめ
模造紙の上に寝そべる。
等身大の絵に、体の役割を書いてゆくZ会のお題。
大きくなったな。


一方・・・。

Hもどうだ、見事じゃないか。



「目で追うことができない」という思い込みが、成長発達を妨げる。

「どうせ」「きっと」

などと、みすみす可能性を捨てるのはもったいない。
たった3日で、この変化だ。



促しの方法自体は、知識として知ることができた。
あとは先入観を捨て、気負わず。
それが肝要と見た。


ちなみにSの絵・・・。

肉が好きか・・・。
とくいなこと:サッカー、水えい
すきなこと:うんどう
よくけがする

切なすぎる・・・。


消化吸収障害、天然の不器用ときて、
好きなのが運動と工作(ここでは記載なし)とキタもんだ


ことごとく、方向が・・・。


これも不器用たる所以か。

切ない、切なすぎるぜ・・・。


平成24年3月5日(月)

おママの体調も改善の兆し。

ふぅ〜・・・。


平成24年3月6日(火)

失敗することも多いが、
寝返りをしようという意欲がある。
しかし、単に寝返っただけでは、
力無く潰れたままで、
直に泣き出してしまう。



寝返った次の動作である「首をもたげる」練習をするために、
胸の下に丸めたタオルケット等を入れる。

これは比較的よく知られた鍛錬法なのだが、
しかしこれだとダウン症児では思った効果が得られないのではなかろうか。

筋力が弱いから首が上がらない、上げようとしないのであって、
上げやすくしてしてあげただけでは解決するものなのだろうか。

うまく行かない姿を見て、やっぱりダメなんだムリなんだと親は落ち込む。
少なくとも諦めにつながってしまいかねないのではなかろうか。


そもそも寝返ったり首をもたげりの行動は、
(仰向けでの)視野の拡大に伴う好奇心を満たすための行為だ。

視野の広がりが十分でないダウン症児では、まず寝返りそのものが遅くなる。
また寝返るところまで行ったとしても、その先はなかなか続かない。

平時仰向けでも目でモノを追わない(興味がわかない)ので、
疲れるだけの首もたげなんて、意欲が湧かなくて当然であろうことが推察できる。


ところが寝返った状態で、目の前におもちゃが通ると・・・。

ん?ナンかきた!
ナンだこれは?!

ちゃんと興味を示すのである。



仰向けで反応しなくても、俯せではそれが出る。

これは、たったこれだけの事が、殆ど知られていないのではなかろうか。
提唱しているのは私の知る限り、対面抱っこの先生だけである。


また「中途半端な姿勢」をとらせることで、動く意欲を引き出すことができる。

大人にわかりやすく説明すれば、例えば「立つ」と「座る」の中間。
やってみると非常に辛い体勢である。

するとより楽な体勢、安定する体勢を求め、立ち上がろうとするのがわかる。
(潰れるようであれば、もう少し「立つ」寄りに)

この中途半端な姿勢を作ってやることで動かざるを得なくなり、
それが動く意欲の弱いダウン症のよい鍛錬になる。

この手法を首もたげに取り入れると、タオルの位置が少し異なる。

・・・あれ?


上手く写真が撮れなかったので、また今度・・・。



平成24年3月7日(水)


ボールで釣るも・・・。
全体的にやる気ナシ。
めかして・・・。
干す。





目を離すと・・・。







今日はよく泣いて、全般的に機嫌が悪かったそうだ。


平成24年3月8日(木)



Sは小児外科、Hは小児内科のダブル定期受診。
隣の診察室、どちらか進みが早い方からでお願いする。

Hが先になった。

身長:67.0cm
体重:7,600g



成長は順調だね。
成長曲線の帯に入っている。
(帯に入っていれば、十分よしとする)


首もずいぶん座ったし、うつ伏せで首も上がる。
発達もよい。



耳の掃除について伺った。


掃除するのであれば、耳鼻科で吸ってもらった方がいい。


との事であったが、もう少し突っ込んで。


特に必要がなければ、行わなくてよい。


なので、何か支障が生じなければ、気にしなくて良いということだった。


特に問題はなく、また3ヶ月後。

肺炎で入院したダメージが見られず「強いね」との事、
また発達もよいとのことであったが、
いずれも先生にとって「ダウン症」の域から出たわけではない。

順調であることを喜ばねばならないのだが、晴れた気はしない。


続いてS。

身長:131.9cm
体重:28.0kg


TB先生にHは初お目見えかと挨拶したが、
(産後の)入院中にHを見に来て下さったそうだ。

さて、Sが体重が戻りきらない事を相談。
もう少し食事量を増やした方がいいのか。
増やすったって、量は目一杯だから、脂肪でカロリーを摂るしかない。

しかし給食は高脂肪なので、
どうしても朝晩とおやつは攻められない(脂肪をさける)でいる。


調子を崩して一旦体重が落ちても、毎回元の状態まで戻っている。
体重増加グラフを全体的に見ても、上がり具合もいい。
よって栄養が不足しているとは考えていない。

腸の馴化が進み、吸収率も上がってきている。
腸の機能が上がってきている。

十分に標準に達しており、むしろそれより上である。
もの凄く大きくするのが目的ではない。
あくまで標準レベルにすることが治療の目的である。



そうですか。
特に食事に問題があったわけではないのですね。
(安心したが、ちょっと複雑・・・)

おねしょも、まだ全然変化ありません。


5年生でお泊まり会だと思っていたが、
今年サッカーの合宿があるのか・・・。



体重の伸びに問題がないのであれば、
年明けの病後から自主的に夜間注入を300mLにしていましたが、
それを元の200mLに戻しては・・・。


う〜ん・・・。
確かに夜間注入は水分が多い。

また高炭水化物食なので、体内で生成される水分も多くなる。



夜間注入の開始を遅らせてはどうでしょうか?
途中で止まることが多々あるので、早くから開始しています。


いや、すると明け方にかかってしまう。
生活のリズムに合わせてもらってよい。



さてどうするか、と悩まれた先生。
生活と治療が複雑に絡み合う。


脂肪乳剤を減らそう。
30mL(脂肪3g)を20mL(脂肪2g)としよう。



つまり、より食事にウエイトを置く変更となった。
僅か1gの差でも、2/3となる変化である。

それで様子を見て、また今後に再検討することとなった。

あと1つ、先生がHPで水溶性食物繊維のサプリメントに、
サンファイバーという製品を薦めていた事に対する質問。


サンファイバーは豆から作られている。
この方が食物を滞留させておく力が強い。
治療初期にはこちらの方がいいだろう。

しかしSの場合は既にほぼ通常食を食べている。
サンファイバーにするメリットは多くない。



との事であった。


2人ともの受診は、とても疲れる。




平成24年3月9日(金)

Sが登校前に腹痛を訴える。
以前同じような状況で登校させるも早退となったことがあり、
ムリせず休ませることとした。
昨年までとは大違い


さらにHも鼻が詰まって咳をし始める。
おとといから機嫌が悪かったもんな・・・。

ドイツもコイツも、受診前後に体調を崩す。



Sが通う小学校をホームグラウンドに活動するサッカーチーム。
日曜日にその練習の体験をお願いしてある。

ところがチームの責任者から、
事前にSの胃ろうについて相談させて欲しいと言われてしまった。


夜。

久々に将棋をやろうと言い出したS。

一つヒントをあげたら、何とSに負かされてしまった。
記念すべき初めての敗北だ。



Hの風呂上がり、笑顔に少し声が出たかも。



しかし何かおかしい。
Hの鼻の穴・・・中が赤くガビガビで、まるでトビヒのよう。

全般的に機嫌も悪く、食欲もイマイチ。

Sも2度ほど便意で起きてくるが、なにも出ず。
腸の動きが速いのか。



おママも不調、代わりに私がHの隣に寝る。
ぐずるHをなだめながら、眠りにつく。

しかし1時頃に大泣き。
ミルクも飲まない。

熱を計るが平熱だ。

おママがHの声で起きてきて、参戦。
ズンズンズンズンと揺らし攻撃で、何とか落ちてくれた。

が、4時頃、再び大泣き。
今度はミルクを飲んでくれたが、ホンの僅かで終わってしまう。

横にしては泣き、の繰り返しで朝になった・・・。


平成24年3月10日(土)

目の体操。
距離かスピードか、
イマイチな感じ・・・。



一方、S。

ビオトーププロジェクトに参加。
コケ玉を作った。
余程面白かったのだろう、2つ目も制作。
まるでスイッチが入ったかのように黙々と・・・。
これで器用なら



夜、今日も私がH番。

泣く泣くH、寝かせてくれない。

しばらくズンズンすると寝てくれるが、
私が横になると、え゛〜〜と泣き出す。
助けて〜・・・。

奥に鼻があり苦しそうなので、ネブライザー。
大泣きするも、これで落ち着いたかも。

しかしそれでも2時、4時、6時の2の倍数起き。

たまらん・・・。


平成24年3月11日(日)

意気揚々とサッカー体験。
その間、私はHと留守番。



他の子とのレベルの差を気にしていたおママだが、
お昼に帰ってきたときにはスッキリしていた。

理事長にいろいろとお話を伺い、吹っ切れたようだ。


選抜に選ばれるような子でも、初めから上手かったわけではない。
好きなら、必ず上達してくる。
親はあれこれ言わず、子の一番のファンになってあげて欲しい。



ようなことを言われたようだ。
また、


4、5、6年の高学年は「全盛期」。
言われたことを言われたとおりできる、一番伸びる。

そこから始めるよりも、今から(3年生から)始めた方がスムーズだ。



サッカーは好きか?の問いに、

S「はい!」

としっかり答えたそうである。





最後のゲームには明らかにバテバテだったそう。
しかし本人は、

S「おもったよりつかれなかった。」

それ強がりだろう。


で、サッカー教室とどっちがよかった?

S「う〜ん・・・」

え?何か悩むことあるのか?

S「りょう(両)方・・・。」

両方やりたいなんて、時間的にも体力的にも金銭的にもムリだろう。
Sはとにかくサッカーがしたくてしたくてしょうがないのだ。
「上手くなりたい」と同義でないのが歯がゆいところ

まずは今日のサッカークラブだな。
体験がまだ数回できるので、今度は私も見に行こう。

鏡を買った。

これでHの発達が促されるのなら、
安い安い。


いい感じ。



味をしめたS、今日も勝負を挑んできた。
ねらい通りだ。




私が半分本気でミスったのを、そのままSのチャンスにする。
ここでヒントを1回。

終盤に3手詰みのシチュエーションになったのを教えてあげて、2回目のヒント。

それでまたもやSの勝ちとなった。
素晴らしい。

しかしその後のサッカー板で大波乱。
私が勝ってしまって半狂乱。
やっぱり相当疲れてるぞ、オマエ。

私も連続の寝不足で、今日はみんな早く就寝した。




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