平成19年7月10日(火)
帰宅すると、やっぱり晩ご飯中だった。
既に1.5時間経過、まだ食べ終わっていないのだ。
一般的に食に制限のある子の場合、食に貪欲になり、
「食べられるものは何でも食べる」
ようになる場合が多いそうだ。
ウチのSは絶食期間が長かったためか性格なのか、
「食より遊び」
である。
おそらく後者であろうが、
胃ロウが不要になるためには、
食事を増やして栄養剤を減らさなければならないのに、
逆に栄養剤が増加される事態に陥っている。
極端に小食な子、偏食癖のある子が意外に多いのは知っている。
育児HPやBBSなどを見ても同様の相談はいくらでもある。
でも回答は、
「気長に待ちましょう」
「いずれ食べるようになりますよ」
の類ばかりである。
実際小腸が正常であれば、偏食でも小食でも問題となることは殆どない。
事実、野菜を全く食べなくても、牛乳しか飲まなくても、
立派に大きくなっている子は周囲に何人もいる。
回答は的を射ていると思う。
それだけ人間の身体の仕組みは巧妙で、各臓器の性能は高いのだ。
しかし残念ながらこれらを小児短腸症候群Sに当てはめることはできない。
栄養の吸収能力が極端に低く効率が悪いので、
まず食べなければ話にもならない。
いや待ったなし、食べなければ治療にならないのだ。
「食べてはいけない子」に食べさせない苦労も相当なものだが、
「食べなくてはならない子が食べようとしない」のも心身の消耗が激しい。
だいたいSはいつもそうだ。
自分で先に限界を決めてしまうのだ。
まず見た目で「食べられるもの・食べられないもの」に区別してしまう。
食べられないと思ったものは、ガンとして食べようとしない。
公園でもそう。
自分にできる遊具・できない遊びを、やる前から決めつけてしまう。
「できることだけやって満足」するのだ。
やってみて失敗するのはかわいい。
しかしやろうとしないヤツに、教えることはできない。
挑戦する・伸びる姿勢がみられないので、
見ているこっちが非常にイライラしてしまう。
おママは一生懸命調理しても、その労が報われないばかりか、
「食べなさい」「噛みなさい」「飲み込みなさい」
と小言を言い続けなくてはならない。
楽しいはずの食卓が消耗の場所となり、
Sと過ごす時間そのものが苦痛になってしまっている。
これでは心も体も長くは保たない。
S自身もそうだろう。
遊びを割かれ、食事を強制される(形になっている)。
ストレスが溜まり逃げ出したくなる。
悪循環になるかもしれない。
食事そのものを嫌いになられては、本末転倒だ。
食べなければ一度食事を抜いてみるのもいいかもしれない。
本当に習い事等をキャンセルして思い知らせてもいいかもしれない。
でも食べないくせに食事がなければ泣きながら催促するし、
楽しみにしているレッスンに行かせないのも心が痛む。
結局ズルズルと食事時間ばかりが延び、
おママに謝っても「言わされている」だけ、
話の途中で気が別の方向に散ってゆく。
結局明日の習い事と朝食は抜かない代わりに、
あと少しの残りを食べる事となった。
夜遅くなり、風呂にも入れることができなくなった。
今、また一つ壁にぶつかっている感じがある。
この暗礁を乗り越えるにはどうしたらよいか。
苦しい。
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本人は、食事が終わればこの通り。 |