平成21年7月31日(金) 胃ロウ中断18日目



朝おママからメール。
風邪気味で体調悪く、いつもお世話になっている近所の病院に行く、と。

その間Sはお留守番。
短時間なら「待て」ができるようになっている。
大助かりである。



しかし夕方になって再びメールが。
何と運動塾のマンツーマンコースに当日キャンセルが出たというのだ。

Sは年明け早々2ヶ月入院。
それでなくとも運動能力は桁違いに悪い。

何とか人並みに追いつこうと、
私達は夏のマンツーコースに申し込んだ。
しかし2次募集までも、ことごとく抽選に洩れていたのだ。

空いていたのは鉄棒とマットの2種目コース。
マットは体の一部が地に着くからだろう、Sは比較的得意としている。
それでも並以下だが
鉄棒と跳び箱コースがあれば良かったのだが、そのコースに申し込んでいた。



通常のレッスンやコースでは受講生が多すぎて反復練習ができない。
不器用なSこそ身に付くまでの反復が大切なのに、それが叶えられない。
私達は何度もコーチに空きがないかを確認していた。
だから、繰り上げの決まりはないが、連絡をくれたのだろう。

仕事もそう、病院もそう、人はそう。
熱意で動かされるのだ。

急にできた空きに、コーチの頭にSの顔が浮かんだに違いない。
単なるカモ

とにかくおママはこのチャンスを逃すまいと、不調を押して参加の返事をしたそうなのだ。


鉄棒にマット、跳び箱。
この3種目は人並みにしておきたい。

鉄棒とマットは通常コースだが、申し込みは完了している。
跳び箱オンリーでお願いした。

得意がない苦手な跳び箱であるが、
次の課題におしいところまで来ている。
ここで集中特訓できれば、きっと受かるに違いない。
たぶん・・・おそらく・・・きっと・・・。

ただ、最悪のシナリオも容易に想定できる。
おママが体調不良をおして運動塾に行ったのに、
全く不甲斐なく成果が得られない。

最悪だ。
家庭は大荒れだろう。
Sが生まれてから、祈りたくなることが度々起こる。


昼間は工作。
絵にビーズで飾り付け。
完成図。

1が全部作ったわけではないが、
なかなか細かい作業もできるようになってきた。


さて・・・

夕刻のマンツーコース、Sとおママはそのままご飯を外で食べてくることもあり、
帰宅は私が先になった。

ドキドキ、ハラハラで帰りを待つ。

しばらくして、玄関が開いた。
Sが勢いよく駆け込んでくる。

怒られてもシバかれても、3ぽ歩けばいつもの脳天気に。
そんなSだから、結果はまだわからない。

続いておママ、体調不良で顔色悪いが、表情は明るい。

マ「(体調不良でも)行って良かった!!」

ななななな、何と3つ合格したというのだ。


内容を聞く前に、Sは約束していたオモチャを要求。
小さなオモチャ2つ分(の値段)のそれ、2回合格したらと約束し、
おママが事前に買っておいたのだ。

3つ合格したので、もらえることをわかっている。
でもその前に合格した証(ワッペン)を見せな!

しかしSは気もそぞろでそれができない。
ちゃんとおパパに見せてから、オモチャはそれから。

疲れもあるのだろう、Sは激不機嫌そうな表情で、
カバンを開け、ノートを私に放り投げた見せた。

おおおおおっ!?
ホントに3つ?!


もしかして、できるかもと思っていたできないかもとも思っていたが、
ここまで合格するとは思ってもみなかった。

バリバリと、箱を開封。
先日のライダーベルトに装着し・・・。
へんちん!

とベルトを「履く」S。

ああ、情けない姿だ。


ファイナル・ライダー〜

と叫ぶ前に、私とおママはビデオ上映会に突入。
和気あいあいとマンツースタート。
全力疾走、まずこれをやって欲しかった!!
プーさん飛び越え。

両足がバラバラ、全身ズタズタ。
コーチのお手本。

見入るS。
続いてマットを丸めて練習。

奥行きがあり、安心感激増である。
それでもSは、これでもダメダメ。


「もはやこれまで」

おママは軽く病状が悪化し始めたそうだ。

しかし繰り返すうちに形になってきた。

この反復練習がしたかった!



そしてこれまで何度も落ちてきた、
魔の跳び箱2段、17級を合格!

ついに未知の領域16級の3段に!!

でもレベルアップ毎に躓く、おキマリのSである。
が、今日はそれで終わらなかった。


何となく「できるかも」

体調が上向いてきたおママだった。


コーチが取り出したアンパンマン。

お尻が跳び箱に着くと、お尻を囓られちゃうぞ!
そんな脅しには、屈したくても屈せないSである。
手で跳び箱を押すように!

実際に跳び箱の首を後ろに押す練習。

痒いところに手が届く、それがマンツーレッスン。
どうでもいいが、スタートが、手足同じ側になるS。

ボクシングを教えたからか・・・。
でも、これでも跳び箱3段を合格してしまった。
ついについに、14級、学童コースだ!

跳び箱が、普通のそれになった。
まずは高くなった分、両足乗りから。
時間にして既に40分。

疲れも見えるSは、間違えて開脚跳びをしてしまう。
そして、

ゴン!
足を跳び箱にぶつけてしまった。
コーチがアイスノンを取り行っている間。

情けないSの表情。
アイシングを受けるS。
が、ちょっと待て。

オマエ、打ったの膝じゃないか!!
この夏は体力温存のために、
運動を極力減らしている。

スタミナ不足でヘバったのだろう。
確かに実力的にはこの辺が妥当である。

コーチもおそらくそう思ったのだろう、
規定の時間を5分ほど残して終了となった。



でも!
これで鉄棒、マット、跳び箱、基本3種目でキンダーコースを終了したことになる。
次からは児童コースになる。

テストは月一回だから、各種目3ヶ月に1度。
鉄棒は思いの外、級2つ合格してしまったが、
跳び箱は来年4月までに児童コースに上がれないと思っていた、
それが何と8ヶ月を残してキンダーコースをクリアーしてしまった。

アンビリーバボーである。
こんな日が私達に与えられるなんて、思いもよらなかった。

仮に運良くマンツーレッスンに当選していたとしても、
もしかして当日風邪などで行けなかったことも十分あり得る。
転がり込んだチャンスを、見事に生かすことができた。

人生の中で劇的な日、そう多くあるもんじゃない。
でも、Sにはそれが度々訪れる。
Sはベースが低いから

ただ、そうは言っても石コロは所詮石コロ。
キンダーコースの課題をクリアーできても、
動きが普通の子並にスムーズになったわけではない。

でも、それでも十分。
私達親は、下から持ち上げてやることしかできない。
優・良・可・不可の「可」にしてやれれば、それで役目は果たせた、
3年も入院させてしまった分を取り返す下地は作ってやれたと思う。
これ以上はSが自覚を持った時、初めて改善される。

他の子の何十倍も脳天気だから、それはいつの事やら、であるが。


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