平成21年11月30日(月) 胃ロウ中止141日目
朝イチで、おママからメール。
嫌な予感。
案の定、起き抜けのSが涙目で、おかしいと思ったら38度台の発熱。
嘔気もあるが、食べられないので何も出ない。
水も飲みたがらないとの事。
どうした。
風邪が再燃したか。
昼前に39度台に突入との連絡が。
おママがSから貰ったと思われる先週の風邪は、細菌性それであった。
Sには抗菌剤をしっかりと服用させ、菌を叩いている。
なのに、それが今頃・・・?
またSもおママも、まだ1回目だが既に季節性のインフルエンザの予防接種を受けている。
季節性の線も細い。
実は土日に嘔吐した際に、おママから「新たに(風邪を)貰ったってことない?」
と、2、3度聞かれてた。
きっと思い当たるフシがあるのだろう。
ならば、やっぱり、もしかして。
病院に行かせる事にした。
しかし、
「病院に 行こうと決めたら 熱下がる」
念のため再度測定したら、38度程度。
様子もグッタリというわけではなくて、比較的元気に見える。
病院に行くかどうか迷ったとき、迷った末に行こうと思ったとき。
「ソレほどでもないかも・・・」
必ずそう思えてしまうのは不思議である。
病院に行くことにより、かえって本当に感染症を貰うことだってあり得るし、
移動、長時間の診察待ちにより体力が低下し、悪化させることもあり得る。
だから慎重になるのは当然なのだが・・・

しかし、数値が全てではない。
何れにせよまだ「病み上がり」、この状態はダブルパンチである。
ジジに車を出して貰い、いつもの近医に直行する。
病院はいつもより激しい混み具合。
新型インフルエンザが大流行とのこと。
検査の結果・・・案の定、Sもまた新型インフルエンザであった。
抗ウイルス剤を処方して頂き、脱水対策として点滴を入れて頂く。

よかった、これで一安心。
点滴だけでも、頑張って来た価値がある。
Sの短い腸には水分も負担になるので、長いこと水分の制限を強いてきた。
故に脱水には非常に我慢強い。
過度の脱水にならせないように注意が必要なのである。
帰宅後「チャーハンたべたい」と食欲が少し。

半分にも満たないが、それでも1と0では大きく違う。
その後リビングでDVDを見ながら、そのまま寝てしまったそう。

この長い闘病生活で、私達は間接的にせよ「命の終わり」を多く知ることになった。
死は常に生の影が如く近くに寄り添っていることを、幾度と無く思い知らされたのである。
S自身も生と死の狭間を彷徨い、医療によって「生かされている」不安定な日々を過ごした。
一つの完全に独立した生命体となった今も、
小腸という重要な器官を大量に失ったという事実は今も変わらない。
人間の体は一度切ってしまうと、切除前と同じ体には二度と戻れないのだ。
新型インフルエンザは鳥インフルのように強い毒性はなく、季節性のそれとほぼ同様である。
大多数の子供は何事もなく回復するが、しかし僅かに不幸な顛末を迎える子供もいる。
Sが再びそのような運を引き当てないという保証は何処にもない。
栄養がギリギリで免疫力も本来の性能を発揮できない体である、
どんなに頭の中で否定しようとしても、
どうしても生の裏にいる死の横顔が何時こちらを睨まないかと、消えた笑顔の後ろを見てしまう。
私達にはその恐怖がどうしても拭えないのだ。
Sの口数は極端に減り、熱もまだある。
でも、ベッドに運ぶときに僅かだが笑顔が見られた。
点滴から半日、また唇が少し乾いている。
でも飲みたがらないので、胃ロウから水分を注入。
もう胃ロウは要らないだろ、早く外したい、
そう願っていただけに敗北感・・・。
新型のワクチンは未だ十分量が供給されず、子供への接種が始まったばかりである。
しかしこの調子だと感染してしまうが早く、ワクチンは不要になるのではないかとすら思える。