平成20年10月12日(日)



今日は大イベントが2つ。

1つはついにこの日、運動会。

そして2つめは、ついにこの日、Sの5歳の誕生日なのだ。

あれから5年も経ったのか・・・。

日々必死に過ごしてきたので、
あっという間でもあり、とても長い時間だったようにも思う。

いつの間にか絶望感は希望や夢に替わり、
悩みもそれらがあるからこその、前向きなものになっている。

あの苦しかった頃の感覚、胸が押しつぶされそうな圧力、
暗いトンネルの天井が崩れてくるような重圧感は、
今も鮮明に覚えている。

ただ、わざわざ思い出さなくて済む毎日になっている。
よくぞここまで・・・ありがたい。



さあ、まずは運動会だ。

おママが園児係(進行手伝い役)なので、集合時間より早く出かける。

どことなく緊張しているS。


会場に着くと、まずトイレを済ます。
そして何故か?園指定の上履きに履き替える。

見よこの勇士?


すぐにSは友達と走りはじめた。
うん、結構馴染んでるジャン。

ただ、その間も私の横を通る度に、
ポコポコと叩いてゆく。



それを横の男の子がジッと見ている。
近づいてきて、様子を伺っている。

こういう時に目を合わせたり構ったりすると、
次から次へとジャレついてきて、大変な目に遭う。
ここはいち早く退散すべき。
学習したなぁ、オレ・・・。
さて、ビデオ撮影の場所でも探すか。

そうこうしているウチに、開会式だ。

帽子をかぶってしまうと、どこだかわからない。

刈り上げまで隠れてしまう。
慌てて前に移動して、カメラを回した。


まず全員でドラミちゃん体操をしたあとは、
すぐにSの出番、駆けっこだ。

駆けっこは、5人。
うち1人は自閉の子なので、練習ではいつも実質最下位の4位だった。
一昨日(平成20年10月10日(金))初めて3位になったが、
それはいつも3位の子が病み上がりだったから。

しかし気をよくしたかS、
昨日は(平成20年10月11日(土))1位になれるかもしれないと、
全く根拠もないのに1人で興奮していたのだ。

さて・・・

すぐにSの番、少なくともマトモな走り方になるように、
これまでずっと練習してきた。
何だか、俺まで緊張してきた。




「パン!」

とスタートのピストルが鳴る。

一斉に走り出す。
30m?40m?はあっという間。
Sは先頭集団には少し遅れ、いつもの4位でゴールイン。

しかし他の子にそう見劣りしているわけではない。
これ位なら、きっといずれ挽回できるさ。
きっと・・・おそらく・・・たぶん・・・。

しかしここで奇跡が起きた。
1位の子、2位の子、3位の子・・・と、
順位分けする先生が、Sを3位に取り違えたのだ。

3位の旗の所に座らされるS。
視野が狭いから、本気で自らの力で3位になったと思いこんで大喜びしている。


それでいいのか?!


まあ、オマエは運で生きているようなヤツだからな・・・。
早くロト6、当ててくれ

あとは玉入れにダンス。
玉入れはボールが上手く投げられないが、
何とか1個入ったようだ。




ダンスは思いの外、上手く踊れているので驚いた。
いや、単なる比較問題で、下手は下手なのだが、
以前のように全くリズム感無く、ワンテンポ遅れるということは少なくなった。

後ろでおママが心配そうに・・・。


運動塾の準備体操は、音楽に合わせての踊りだ。
ちょっと前までゴーオンジャーで、今は羞恥心だ。
Sはとても楽しそうに踊っている。
やはり継続して続けると、実がなるものだ。

本当は、例えばボール遊びとか、
いろいろ一緒に遊んであげたいのだが・・・。

週末は私がヘトヘトだったり、
Sに疲れが見えて休養に当てたり、
それぞれに用があったりして、
なかなかタイミングが合わない。

まあ、これらもいずれまた、だろう。


親子競技。



ゴムひもを飛び越えて、ゴール前にボールを置いて、
Sに蹴らせる。



何とあのSが、コロコロと一発でゴールに入れた。
蹴れば明後日の方向だったのに。

幼稚園でも、地味ながらボール遊びをしているそうだ。
着実に普通の子に近づいているんだな。

Sのクラスは特に運動能力が高く、
玉入れでも親子リレーでも、とにかく1位になる。

そればかりか揃って行進すれば、誰からともなく歌い出したりして、
とても明るい。
ホントにここの園に巡り会えて良かったと思う。
ホントに運があるヤツだ

幼稚園の運動会は、正午過ぎに終わった。


おママもまた園児係という、
子供達をまとめたり指示したりする係りをこなし、
回りの子がどういう子で、Sはどう関わっているのか良くわかったとか。

私もSの動きを見て、他の子とそう大きく差はないことがわかって安心した。


午後はジジババの所に。

庭で遊んだり。
砂遊びをしたり。

とにかくここでは自由奔放が許される。


続いての大イベント、誕生日会。

この日のために用意したぜ、
S指定のウルトラセブンケーキ。
恥ずかしいのか、戸惑うS。


去年はホンの一舐めしかできなかったが、
もはや今年のSは違うぜ。

三食分の脂肪分を減らし、このケーキに費やした。
結果、30gだが、初めてケーキらしいケーキが食べられる。

切り分けられたイチゴショートケーキ。
一切れ計りに乗せると・・・うわ、70g。

ケーキらしく三角形を保ちながら削いでゆく。

S「まだ切るの?」

マ「もう少し・・・。」
S「まだ切るの?」

マ「あとちょっと・・・。」



何れ食事制限が解除されれば、
ケーキだって食べられる。

要は続けて負荷を与えないこと。
短い腸は連続した負荷には絶えられないが、
1回、2回は踏ん張ってくれる。
それならば、通常の生活では殆ど支障はないはずだ。

あと1年半!!
限定解除は目前だ。

クリームを舐めるS。
美味しいか?

S「・・・。」
どう?美味しいだろ?

S「・・・。」
美味しくないの?

S「・・・。」



どうやら、クリームがあまり好きではないらしい。
そういえば、去年も2舐めで満足していたな。

生まれてずっと低脂肪食だったので、
油が多いものは味がきつすぎるのか。

しかしチョコレートはおやつで食べ慣れているので、

S「美味しい!」

と好評だった。

S「これ美味しい!」

ケーキを殆ど残してしまったので、
もう一口チョコを与える。
S「もっと食べたい!」


しかしチョコは生クリームより脂肪が多い。
表面がチョコレートコーティングされたお菓子とは違い、
さすがに中までチョコ100%だと、制限を簡単にオーバーしてしまう。

おママは3口目まで食べさせていたが、
明日調子を崩さないかと、内心冷や汗ものだったそうだ。


こうしてあっという間に1日が過ぎ、
Sもまた、布団に入るとあっという間に落ちていった。

スースーと心地よさそうな寝息が聞こえる。
何となく緊張がほぐれたような、リラックスしたような感じがする。


Sが退院したのが2年前、3歳の時。
まだ入院していた期間の方が長いのか。
そう思うと、確かにとても厳しい道のりだったな。

5歳の誕生日は、とても濃い1日となった。



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